もっと大きな視点が必要
中国脅威論は本当か?
私個人的には、中国が国際的な非難を承知の上で日本に軍事的に攻めてくるのかは疑問を持っています。確かに中国はチベットやウイグルには侵略し、民族浄化のようなことを行なっていますが、陸続きのそれらの場所は今も昔も中国の一部だと歴史捏造して領有権を主張することは可能でしょう。
しかし島国の日本は歴史的に中国の一部だったことは一度もないというのは誰が見ても明らかなことであり、中国が日本に侵略することは国際的に非難が浴びせられることは必至で、各国から経済制裁や軍事制裁が下されるでしょう。また日本と中国は経済的に相互依存状態にあり、戦争状態に持っていくことは中国の経済にとっても喜ばしいことではありません。
2017年度の日本の中国に対する輸出額は1,648億6,566万ドル、輸入は1,644億2,370万ドルで、中国の日本からの輸入品としては半導体等電子部品と科学光学機器や自動車部品などが主流です。近年は中国のモノ作りレベルも世界的に高水準に上がっており、ドローンやスマートフォンなどの企業の成長は著しいものですが、実はそれは日本製の部品や精密機械が支えているのです。もし両国が戦争状態に入り、貿易が滞れば経済的な打撃は計り知れないでしょう。
米国との貿易戦争で疲弊しきっている現在の中国なら尚更のことでしょう。中国が上記に挙げたような経済的リスクを理解した上で日本に攻めてくるとは考え辛いことです。
仮に攻めてきたとしても日本も中国の軍事力に劣るとはいえ、防衛に特化した自衛隊を簡単に攻め切れることはないでしょう。
また、尖閣諸島に上陸している「海上民兵」を引き合いに出して中国脅威論を語る人も少なくありませんが、そのような「海上民兵」が中華人民共和国の正規軍人であり素性の怪しい戦闘集団という認識は誤りで、端的に言えば、「海上民兵」は漁民や港湾労働者等海事関係者そのものであり、彼らの大半は中国の沿岸部で普通に生活している普通のおじさんやお兄さんたちであることを以下の記事が明らかにしています。(『尖閣のトラブルごときで米軍は出ない…「中国脅威論」のウソを暴く』)
また、この記事は中国が尖閣を含む日本領土に攻め込んだ時に米軍が協力してくれるということが政府の情報操作であることも明らかにしています。
そこで引用された在日米軍のトップの発言がその根拠になっています(※2014年2月10日に日本記者クラブで記者会見したアンジェレラ在日米軍司令官の発言)。
1.軍事介入について
「米軍が日中の軍事衝突に直接介入することはない。それが危険な行為であるからだ。米国は日中両国が対話により、この危険が発生する可能性をなくすことを願っている」
2.日中がもし軍事衝突したら米軍はどうする?
「そのような衝突が発生することを望まない。仮に発生した場合、救助が我々の最も重要な責任だ。米軍が直接介入した場合、危険な問題が生じる。ゆえに我々は関連各国の指導者に対して、直ちに対話を実施し、事態の拡大を阻止するよう求める」
3.中国軍が尖閣を占領した場合に米軍は阻止するか?
「これは答えに苦しむ質問だ。米軍の介入は危険であり、このような事態を発生させないことが重要だ。もしこのような事態が発生した場合、私は米太平洋司令部のロックリア司令官の意見を聞き、二つの対策を講じる。まずは日米首脳による早期会談を促す。次に自衛隊の能力を信じる」
ちなみにこの発言は日本のメディアではほぼ取り上げられることがありませんでした。このような情報が出れば中国脅威論を引き合いに出して憲法改正を推し進めようとする政府にとって都合が良くないからでしょう。政府やメディアなどの情報操作に気をつける必要があります。
私個人的には中国の脅威は確かに存在すると思いますが、それは軍事的なものではなく、別の面からの脅威があり、むしろそちらの方に注意をする必要があると感じます。
中国などの別の脅威。静かなる侵略
まず中国の脅威の一つとして、日本の土地が買い漁れているということが挙げられます。日本は外国人に対する土地購入規制がほとんどないために水資源が豊富な北海道を中心に多くの土地が買われています。
過去の記事でも触れましたが、国内の河川の約7割が深刻な汚染に悩まされている中国は水資源の確保が政府の緊急課題となっています。(過去の記事:TPP11と農地法改正によって爆買いされる日本領土。対策法は?)
そのため中国政府が自国企業に海外の農地買収を奨励しています。フランスやオーストラリアでも中国人による土地所有が問題になっていますが、産経新聞によると北海道ではすでにおよそ東京ドーム400個相当の土地が中国資本に買い占められ、沖縄でも国が借り上げている米軍用地の10分の1が既に中国資本のものといわれています。
目に見えないところで中国勢力が日本に浸透してきているところを気をつける必要があるでしょう。しかし日本は去年2018年12月に入管法を改正し、外国人がより簡単に日本で仕事に就くことができ、永住権が取れるようになったため、今後さらに中国人が増えることが考えられます。(過去記事参考:改正入管法の問題点。移民急増による国保破綻と生保増加の未来)
中国人の方々を差別しているわけではありませんが、中国のトップの(軍事的ではない)日本侵略の思惑が見え隠れしているために油断することができません。純粋な気持ちで日本に移住したい方々なら歓迎すべきでしょうが、日本の国保や生活補償費狙いで来る方々も少なくないので、それらの人々が増えると日本国民の血税で外国人を養うことになり、その状態が長く続くと日本社会が破綻してしまいます。
また、新聞やテレビなどのメディアにも中国や朝鮮勢力が入り込んでいる可能性も高いと言われています。南京大虐殺の嘘を広めたり、慰安婦問題を捏造して情報を流した反日的なメディアもありますが、それらの反日的なメディアと在日系の人たちの癒着が一部で報告されています。(参考:『話題:朝日新聞社と在日韓国・朝鮮人との癒着がわかる1つのサイト』)。
他の様々なメディアにも中枢に反日勢力が紛れ込んで日本に対する攻撃材料が作られているとも言われており、このような情報は氷山の一角に過ぎないでしょう。巷の噂を盲目的に信じて断言することはできませんが、火のないところに煙はたちませんし、仮にそうであればそのようなメディアが日本社会を内側から壊しているといっても過言ではありません。
政府の要人にも中国によるハニートラップで工作が仕掛けられていることは有名な話かもしれません。例えば、過去に橋本首相も10年付き合っていた中国人の愛人は中国から仕掛けられたハニートラップだったことが明らかになりました。そのハニートラップにより橋本首相はODAとして26億円もの経済支援を中国に対し行いました。(参考:『中国のハニートラップ戦略』)
イギリスの諜報機関「MI6」は中国の女性スパイによる「ハニー・トラップ」は過激組織「イスラム国」(IS)よりも国家の安全保障にとって重大な脅威だという報告をキャメロン首相に提出しています。(参考:『中国「ハニー・トラップ」はイスラム国より脅威 英MI6が警告、美しすぎるスパイの危険度』)
徐々に日本社会に浸透し、見えないところで日本人に対して民族浄化なるものを企んでいるという陰謀論のようなものもありますが、その可能性を否定できないと私は思います。チベットやウイグル人に対する民族浄化とは別のアプローチだと言えるでしょう。
かつてスイス政府が発行した「 民間防衛白書」には戦争をせずに国を侵略する方法が書かれていますが、まさに日本の現状を表しているかのようです。
第一段階「 工作員を送り込み、政府上層部の掌握と洗脳 」
第二段階「 宣伝。メディアの掌握。大衆の扇動。無意識の誘導 」
第三段階「 教育の掌握。国家意識の破壊 」
第四段階「 抵抗意識の破壊。平和や人類愛をプロパガンダとして利用 」
第五段階「 教育やメディアを利用して、自分で考える力を奪う 」
最終段階「 国民が無抵抗で腑抜けになった時、大量移住で侵略完了 」
私には日本は第五段階まで完了しているように思えます。入管法改正によって移民数がこれから急上昇する日本は最終段階に差し掛かっていると言っても過言ではありません。
なんにせよ、軍事的な脅威よりもこういった水面下での日本社会破壊工作の方が大きな脅威で、そちらに気をつけたほうがいいのではないかと思います。
日本の闇:「日米地位協定」と「日米合同委員会」
中国や朝鮮勢力の見えないところでの侵略行為だけでなく、アメリカの属国状態から解消される必要があります。中国の侵略に対して「米軍は軍事介入をしない」と在日米軍トップが公の場で発言しているのですから、米軍は抑止力として機能せず、必要性はほとんどないことになってしまいます。ではなぜ米軍は日本に駐留し続けようとするのでしょうか?
それは1952年に日米安保とセットで交わされた密約「日米行政協定(現在の日米地位協定)」があり、その密約に基づいて創られた日米合同委員会がその継続を望んでいるからと言っても過言ではありません。
日米合同委員会についてはご存知ない方も少なくないと思うのですが、
① 日本政府の出入国管理を受けず、日本に自由に出入りできる。② 基地や演習場を自由に使用でき、そこに自由に出入りして、日本国内を移動できる。③ 基地や演習場のために国有地が無償で提供される。④ 基地や演習場のために必要な民有地は日本政府が借り上げて提供するので、米軍は経済的負担を負わなくていい。⑤ 米軍が基地や演習場を返還する際、原状回復や補償の義務を負わない。⑥ 一九五三年の行政協定第一七条改定までは、米軍人・軍属・それらの家族(日本国籍のみは除き)が犯罪を犯した場合、公務中でも公務外でもすべて裁判権はアメリカ側が行使した。改定以後は、公務中の犯罪の裁判権(第一次裁判権)はアメリカ側、公務外の犯罪の裁判権(第一次裁判権)は日本側が行使するようになった。公務中か否かの認定は米軍に委ねられる。⑦ 基地・演習場内のすべての者や財産について、また所在地のいかんを問わず米軍の財産について、日本政府当局に捜索や差し押さえをする権利はない。(引用著書:『「日米合同委員会」の研究:謎の権力構造の正体に迫る 「戦後再発見」双書』吉田 敏浩)
表向きではサンフランシスコ講和条約で日本に独立させましたが、このように米軍は占領時代と同じように事実上の治外法権を維持しようとしました。それは1960年の安保改定で、行政協定が地位協定へと改定された現在でも続いています。
上記で引用した著者、吉田敏浩氏は綿密な日米合同委員会の研究を行ないました。同氏によると行政協定を元につくられた日米合同委員会は、米軍の日本占領時代からの特権を維持するためにつくられた組織で、「安保法体系」と「密約体系」によって「憲法体系」を侵食し、日本国家のなかに憲法の力の及ばない闇の領域をつくりだしているといいます。
具体的には、日米合同委員会で日本の高級官僚と在日米軍の高級軍人同士で話し合い、アメリカ側の要求にもとづいて日本側が提供する米軍基地(「施設及び区域」)の場所や範囲を決めることになりました。
それが日米合同委員会の中で作られた密約の中で特に有名な「基地権密約」で新原昭治氏が2008年にアメリカ国立公文書で発見したアメリカ政府解禁秘密文書からその存在が明らかになりました。
この密約や委員会の存在は近年になって明るみになったものなので、鳩山元首相も自民党から政権を奪取して首相になるまではその存在自体を知らなかったと言っていますから、知らない人が多くても仕方ありません。(参考:『日本は現在でも米国の軍事占領下にある _ 日本の政治を決定している日米合同委員会とは』)
この委員会の詳細を書くと非常に長くなるのでここでは割愛しますが、基地権以外にも領空権(横田空域、岩国空域)など様々な米軍の治外法権が認められており、日本国憲法よりも効力が大きいというものです。
(※また別の機会に日米地位協定や日米合同委員会についての詳細を書こうと思いますが気になるかたは以下の本をオススメします。)
実は日米合同委員会は今でも月に2度会合が開かれており、上記の『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止めれないのか』の著者の矢部宏治氏によると最低でも60年以上、1600回はやっているらしく、日米地位協定をいかに運用するかを話し合ってきたそうです。
そして歴代の自民党政権は日米合同委員会のあり方を容認し、地位協定の解釈・運用を外務省官僚を中心とする官僚機構に手を委ねてきました。2006年にアメリカ国務省自身が認めているように、自民党は1955年の結党当初からCIAによる巨額の資金援助を受けていたことが明らかになっているため、日米合同委員会に隷属するのも不思議な話ではありません。
その日本政府は基本的には「基地権密約」の存在を認めていませんが、アメリカの公文書だけでなく、日本の外務省解禁秘密文書「日米相互協力及び安全保障条約交渉経緯」にもその存在を裏付ける記述が残されています。
そして「基地権密約」を含む様々な密約を作ってきた日米合同委員会には最高裁判所も逆らえません。それは「砂川事件」が証明しています。砂川事件とは、東京都砂川町付近にあった在日米軍立川飛行場の拡張を巡る訴訟であり、その最高裁が出した結論は「極めて高度な政治的な問題であり、その内容について違憲かどうかの法的判断を下すことはできない」と原判決を破棄しました。
この事件は最高裁判にも日米合同委員会の圧力がいっているということを示唆しています。
いわば日本は日米合同委員会を通してアメリカの意向に従わざるを得ない状況を作られているようです。厳密にいえばアメリカというより、米軍と兵器産業のネオコン勢力の支配下にあるといったほうがいいかもしれません。ネオコン勢力にとって利益になるように動かされているということです。
その意向に従おうとしない政権はメディアなどあらゆる手を使って政権転覆を図られます。アメリカの資本も大株主として日本のテレビや新聞などに巣食っているためメディアを動かすことも難しくはないのでしょう。民主党が短命に終わったのもアメリカの意向に従わず、中国寄りになったからだともいわれています。
そして日本はオスプレイなどの米軍の兵器を購入させられ、そのお金は兵器産業に流れ込むのです。ある意味、東アジアの緊張関係はネオコンにとって都合のいい状態なのでしょう。お互いイタチごっこのように軍事力を高め合えば合うほど、武器がたくさん購入され、お金が流れます。その東アジアの緊張状態を演出するためにも米軍が日本に駐留し続けたほうがいいと解釈することもできます。
戦後にできたこの支配構造は今も続き、これからも続こうとしています。
このようなことは陰謀論でもなんでもなく、戦後の歴史を調べてみると日本が実は独立国ではなかったことがわかります。
辺野古問題は沖縄だけの問題ではなく、日本全体の問題です。辺野古移設がされるということは日米合同委員会の支配が続くことも意味するからです。
日本が真に独立国となるためには、日米合同委員会を改廃し米軍に撤退してもらうこと、そして政府やメディアの中枢に入り込んで日本に不利益をもたらそうとする勢力にも出ていってもらう必要があるでしょう。
そうなれば辺野古の海を守ることができますし、政治はアメリカの意向を気にせず動かすことができますし、メディアでも公平な情報が流れ、日本社会が安寧に向かっていくことでしょう。
以上に挙げたような外国勢力の静かなる侵略や日米合同委員会の問題などの点を踏まえた上で辺野古問題を見ていく必要があると強く感じます。
今回の意見に対して、異論がある人は多いと思いますが、賛成・反対意見だけを見るのではなく、もっと幅広い視点で辺野古移設問題を見たほうがいいと思いまして、今回の記事を書きました。
まずは吉田敏浩氏や矢部宏治氏が明らかにしたような情報が広く知れ渡ることが重要です。問題意識を持つ人が増えれば、政治も変わり、世の中も変わるでしょう。
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