2018年12月、改正水道法が可決され、民間業者に水道の運営権をよりスムーズに委託できるようになりました。水道事業の所有権を自治体に残したまま、運営権を委託することはいわゆる「コンセッション方式」と呼ばれますが、それを「水道民営化」と認識するかどうかは意見が分かれるところです。海外では民営化と認識されており、このサイトでも同じく民営化という扱いにしています。
海外においては先進国、発展途上国問わず民営化した後に再公営化する自治体が増えています(2018年時点で235事業が再公営化)。
中でもフランスとアメリカの自治体が特に多いです。
出典: PSIRU, Food & Water Watch, Corporate Accountability International, Remunicipalisation Tracker
日本政府はその流れの逆をいき、法律を変えて民営化の流れを強めました。
法改正に当たって、日本政府は海外の失敗例を3つしか調べていなく、調査が不十分だといわれています。運営権を民間企業に委託するかどうかは市町村の自治体の判断に任されますが、その決断を下す前に数多くある海外の失敗例をしっかりと吟味する必要があるように思います。
ということで、今回はその水道民営化の海外における失敗例をいくつか挙げましょう。今回取り上げるのはフランス、アメリカ、ドイツ、ボリビア、アルゼンチンです(※ボリビア以下は2ページ目です)。