スーパーシティ法案の実態。竹中平蔵、ダボス会議、国連の計画

今回は内閣が可決を目指す「スーパーシティ法案」についてお話します。

スーパーシティ法案とは、正式名称が「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案」で、2019年に廃案となったものが修正されて、2020年1月に国会に提出されたものです。

 

同改正案は4月中旬にマスコミがコロナで騒いでいる間に、自民、公明、日本維新の会などの賛成で衆議院を通過し、今月、参院本会議でも通されようとしています。

 

立憲民主党、共産党、社民党などの野党は同改正案に反対をしています。

 

スーパーシティ法案とは、これまでの国家戦略特区法と、何が違うのでしょうか。

その実態に迫ります。

 

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土台となる国家戦略特区

 

まず、従来の国家戦略特区法から整理していきましょう。

 

国家戦略特区構想とは、第2次安倍内閣以降の成長戦略の柱の一つであり、内閣総理大臣が主導して、経済特区をつくって、従来の規制を大幅緩和したり、税制優遇措置を施すことで「日本を世界で一番ビジネスがしやすい環境」とすることが主な目的となっています。

 

同構想は、2013年12月に成立した国家戦略特別区域法が根拠法で、特定秘密保護法案の採決を巡って国会が紛糾していた裏でひっそりと成立した法律です。

 

小泉政権下で構造改革特区、菅政権下で総合特区というものがありましたが、それらと何が違うのかというと、従来の特区構想は、ボトムアップ型であったのに対し、国家戦略特区はトップダウン型で推し進められているということです。

 

 

具体的に言うと、ボトムアップ型の特区構想においては、規制緩和の提案が地方自治体から国へと出され、それによって例えば、ワイン特区やどぶろく特区などができました。

 

 

一方、国家戦略特区は内閣が主導して、規制緩和のメニューを策定し、地域に提案していくというものです。

 

現在、国家戦略特区として指定されている区域は、10区域あります。

 

出典:内閣府HP

 

 

それぞれの地域で実施されるメニューは異なり、例えば、新潟市や養父市は農業特区としての性格が強く、沖縄県は観光産業に特化した内容になっています。

 

 

一方で、すべての区域に共通するベクトルは「国際競争力の向上」や「起業の促進」といったものです。

 

安倍政権は医療・農業・教育・雇用などの各分野における規制を「岩盤規制」という言葉で攻撃対象とし、それらの岩盤規制を打ち壊すことによって、経済成長を狙っているとしています。

 

その特区構想はマスメディアで取り上げられることが少なかったので、実態はあまり知られていませんでしたが、「加計学園問題によって」有名になり、「安倍政権のお友達優遇政策」と揶揄されるようになります。

 

また「日本を世界で一番ビジネスがしやすい環境」とすることを目的としていることからも、外資を誘致することが大きな狙いであることは明白です。

 

国家戦略特区の諮問会議で、制度設計などの検討を行う中核となるワーキンググループがあるのですが、それによる集中ヒアリングの席で外資が提言していることからもそれは明らかです。

特に顕著だったのが2013年7月の間に行われた集中ヒアリングで、モルガンスタンレーMUFG証券のチーフ・エコノミスト、ロバート・フェルドマンの提言が提言全体の約三分の一を占めていました。

このように外資優遇措置の側面もあることから国家戦略特区は、TPPやFTAなどの自由貿易協定のための環境づくりと指摘されることもあります。

 

スーパーシティ構想

 

一方、今回のスーパーシティ構想は、これまでの国家戦略特区構想から更に発展させた構想で、人工知能やビッグデータなどの 最先端の技術を活用し、未来の暮らしを先行実現する、「まるごと未来都市」をつくることを目的としています。

 

具体的に言うと、「自動走行」、 「ドローンでの自動配送」、「キャッシュレス決済」、「行政サービスのIT化」、「オンライン診療」、「遠隔教育」、「電気、水道、ガスなどのスマートシステム」、「防犯・安全のためのロボット監視」などがメニューに掲げられており、これらのシステムを5Gによる高速通信システムや、人工知能、ビッグデータなどの先端技術で運用していこうというのです。

 

その未来型システムは従来の特区の区域会議をさらに強化した、いわば、ミニ独立政府が主体となって運用され、国は必要なインフラ整備を行うこととしています。

 

スマートシティという言葉がありますが、名称が違うだけで、目指す方向は同じなので、同じものと考えて頂いても良いと思います。

 

SDGsとの関係

 

また、見落としてはならない点がこのスーパーシティ構想は国連のSDGsと連動しているということです。SDGsとは「持続可能な開発のための2030アジェンダ」のことです。

 

政府主催のスーパーシティフォーラムの後援組織に国連の広報センターが入っていますし、内閣府のスーパーシティ構想の解説ページでも”J-Tech challenges SDGs”と掲げられているように、国連のアジェンダに則ったものということは明白です。

 

世界各地でも同じようなスマートシティ構想があり、計画は着々と進んでいます。

 

その中で最も進んでいる地域の一つが、中国の杭州市であり、アリババ系列の会社が行政と連携し、既に交通違反や渋滞対策にAI分析を活用したり、無人コンビニを展開していることで知られています。

 

トロントで中止されたスマートシティ計画

一方で、計画が頓挫している地域もあります。それは、カナダのトロントです。トロントでは、グーグルの関連会社、Sidewalk Labsが主導して、道路や信号機などありとあらゆる場所に人や車などの動きを把握するセンサーを設置して、ビッグデータを活用するという計画がありました。グーグルのカナダ本社も同地区に移転し、自動運転車の導入や住民の移動データなどを生かした各種サービスやまちづくりを進めていこうとしていました。

しかし、個人情報やプライバシーの観点、自動運転やドローン配送の安全性への懸念から住民の批判が広がり、結局今年の5月7日にグーグル側が撤退を公表しました。

 

日本でもスコアリングシステム導入?

 

日本におけるスーパーシティ構想でも同じような懸念があります。個人情報が流出する事件は毎年のように起こっており、枚挙に暇がありませんが、スーパーシティ構想でも国や自治体がもっている個人情報や、民間企業が持つ行動履歴などの個人データを一元化し、そのビッグデータをもとにサービスが展開されることになっているので、ハッキングされたり、流出したらどうするのかという懸念事項があるのです。

また、スーパーシティ構想では完全なるキャッシュレス社会を目指していますから、支払い履歴などもデータとして残り、いつどこで何をしたのかということが全部デジタル上に記録されてしまうことになります。

中国ではスコアリングシステムが導入されており、国民の信用度が点数化されているのですが、政府に反抗的で、点数が低い人物は航空券が買えなくなったりしています。日本でも例えばヤフーが会員の信用度を点数化するというスコアリングシステムを既に導入しており、提携企業にその点数データを提供することとしています。

ヤフー以外にもNTTドコモ、LINE、メルカリ、みずほ銀行、ソフトバンクなどさまざまな企業が、信用スコア事業に参入したり、参入を表明しています。

こういったスコアリングシステムが普及すれば、点数が低い人物は、あるサービスを利用できないという弊害が生じることも考えられます。

つまり、政府や大企業による超監視社会が構築されていくことも考えられるわけです。日本でそんなことがあるはずがないと思うかもしれませんが、これは国連のアジェンダということを忘れてはいけません。

また、自動運転やドローン配送の安全性に対しても懸念されています。

 

実際、2019年にアメリカのウーバー社の自動運転による交通事故で歩行者が死亡するという事件が起こっており、交通規則を無視して道路を横断していた女性を、自動運転車のソフトウエアが認識できなかったことが明らかにされています。

また自動運転のシステムもハッキングをされる恐れがあり、ネットワークを介して一度に複数台の自動車を効率よく盗み出される可能性も指摘されていますし、ハッキングによる衝突事故も懸念されています。

スマートシティやスーパーシティ構想にはそのような懸念事項が多々あるので、該当地域の住民の中にも、勝手にそんな規制緩和されては困るという人は多いと思います。

政府側もその点は承知の上で、スーパーシティ特区の住民の合意を得る必要があるとしています。

 

住民合意を得る方法

 

しかし、驚くことに、その住民の合意を得る方法は改正案には明記されていません。

れいわ新撰組の山本太郎氏が住民の合意を得る具体的な方法を内閣府に問い合わせたところ「区域会議が適当と認める方法によって住民の意向の確認を行うこととしております」という答えが返ってきたといいます。

 

つまり、特区の区域会議に丸投げしているということです。

更に山本太郎氏は、過去に住民合意を必要とすると規定のある法律で、住民合意のやり方はどのように決定したのかを内閣府に問い合わせたところ、都市計画法第17条第一項で定められている方法で住民の合意を得たという答えが返ってきたといいます。

その規定では都市計画を決定するときは、計画内容の書類を掲示板などで二週間は公開することを求めているのですが、たった二週間、掲示板で規制緩和の内容を公開するだけで住民合意が得られるということなのです。

その間に住民は意見書を提出することができるとも定められていますが、その意見が見られることはあっても、受け入れられるとは限りません。

これが果たして「住民合意」と呼べるのでしょうか。

 

推進者は竹中平蔵氏

 

ところでこの区域会議メンバーの構成はどうなっているのかというと、各特区ごとに

・国家戦略特区担当大臣
・関係自治体の長
・関係事業者
・計画に密接な関係を有する者

で構成されています。

この区域会議で規制緩和の計画が話し合われるわけですが、規制緩和で利益を享受できる受益者がメンバーになっていることが問題視されています。

例えば、加計学園問題で明らかになったように、加計学園の理事長、加計晃太郎氏が区域計画の案を作成する今治分科会のメンバーになっているなど、事業者と利害関係のある人が意思決定に関与していることがメディアで取り上げられて問題視されました。

また、スーパーシティ構想の実現に向けた有識者懇談会の座長はかの有名な竹中平蔵氏です。

 

竹中平蔵氏といえば日本における新自由主義を定着させた人物であることで有名で、小泉政権時代に郵政民営化や派遣法改正などで様々な規制緩和をすることに尽力しました。

 

例えば、派遣法を改正することで、派遣社員が増えることになり、結果的に自身が会長を務める派遣会社のパソナグループに大きな利益をもたらしました。

 

そのような経歴があるので、自身で発案して、自身で規制緩和して、自身で利益を享受するという、規制緩和のプロと揶揄されることもしばしばあるのですが、国家戦略特区構想やスーパーシティ構想の中心にも竹中氏は鎮座しています。

 

ダボス会議との関係

 

竹中氏はダボス会議の理事も務めています。ダボス会議とは毎年1月にスイスのダボスで開催される経済フォーラムのことで、世界の政財界のリーダーが一堂に集まるのですが、その実態はエリートグローバリストの集まりで、グローバリズムを推進するための話し合いが行われています。ダボス会議に国連の事務局長が参加していることからも、ダボス会議と国連が連動していることは明らかです。

スマートシティやスーパーシティ構想も国連のアジェンダで、スーパーシティ構想のフォーラムの後援に国連が入っていることを前述しましたが、実はダボス会議もその後援組織に入っています。

つまり、竹中平蔵氏は日本におけるダボス会議の代理人であり、国連のアジェンダを推進する中心人物だと考えられるのです。

 

竹中氏は国連のアジェンダに則って、スーパーシティをつくろうとしているわけですが、それは日本の国際競争力を高めるものというよりは、高度な技術を有する国内の大企業や外資系のグローバル企業に有利なものであると言っても過言ではないと思います。

 

つまり、技術を持つ者と持たざる者の間で、経済格差は更に広がることが考えられます。

それは、具体的にどのような技術なのかというと、ビッグデータ、5G、人工知能、デジタル通貨、ブロックチェーンなどです。

 

ダボス会議でドイツのメルケル首相が「これからの経済競争は1にも2にもビッグデータの競争である」と演説したり、イギリスの経済誌エコノミストで「世界で最も価値のある資源は、もはや石油ではなく、データである」と断言されているように、ビッグデータは巨大産業になりつつあります。

 

そして、未来都市の核となる高速通信システム、5Gもそうです。5Gの電波は直進性が高く、減衰しやすい特性を持っているため、遮蔽物があると電波が通じにくいので、5Gの基地局は、マンホールの下や、ビルの壁面などに大量に設置されることになっています。

 

電磁波による危険性も懸念されているわけですが、そういった懸念は何処吹く風と、スーパーシティ特区にもどんどん基地局がつくられることになるでしょう。

顔認証システムやスコアリングシステムなどの、人工知能による監視システムも広がっていくでしょう。既に大阪では電車の改札口で顔認証システムが実験的に導入されています。

 

キャッシュレス社会になるとともにデジタル通貨も普及していくでしょう。

ダボス会議でも日本銀行やイングランド銀行を含む6行の中央銀行と国際決済銀行が、中銀デジタル通貨の発行・利用例について共同研究を行うべく、新しい組織をつくるという発表がされています。

デジタル人民元など、世界各国で政府が発行元となるデジタル通貨の開発が進んでいるのですが、日本でもデジタル円が導入されることも考えられますし、最終的には世界共通デジタル通貨の発行が目指されています。

これは個人的な見方ではありますが、ビッグデータ、5G、人工知能、デジタル通貨などの先端技術を独占的に持つ企業が主導になって開発される、世界のスマートシティや日本のスーパーシティは、イギリスのブラウン元首相が提言した世界政府をつくるための布石であると考えています。

 

今年10月にアメリカで開催される予定の”AI World Government“などでもAIによる政府運営の可能性が議論されようとしていますが、それが技術的に可能な時代になっていることは確かです。

 

人工知能で世界の人々を管理するという世界政府の話は陰謀論だとよく揶揄されてきましたが、それがいよいよ現実味を帯びてきたと感じています。

超監視社会が作られつつあるのは間違いないと思うのですが、今回のスーパーシティ構想で、その最終段階に差し掛かったとみていいでしょう。

検察庁法改正案の件で大騒ぎになりましたが、政府の本命はこちらにあると思われます。

なぜなら、それが、国連、つまり第一段階の世界政府のアジェンダだからです。

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