最近メディアでもよく取り上げられるようになってきた「パンケーキシンドローム(パンケーキ症候群)」。ダニがパンケーキミックスの粉に繁殖して、それを食べてしまうことで発症するものです。
一体どのような症状なのか。そしてよく繁殖すると言われるパンケーキや小麦粉以外で何に繁殖するのか。そして食料保存におけるダニ対策法をご紹介しようと思います。
パンケーキシンドロームの症状
俗にパンケーキシンドロームと呼ばれる病気ですが、実際の病名は「経口ダニアレルギー」と言います。パンケーキに繁殖したダニに気づかず口から体内に入れてしまうことで、アレルギー症状が発生するというのです。具体的にどんな症状が発生するのかというと
全身のじんましん・呼吸困難・喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音)・むくみ・腹痛・嘔吐・血圧低下などの重症なアレルギー症状(アナフィラキシー)を引き起こし、最悪命を落とす可能性もあります。
特に危険なのはダニアレルギーを持つ人や喘息の人がダニが大量に含まれる食品を食べてしまうことで重大なアレルギー症状を引き起こす傾向にあるようです。
従来小麦アレルギーと考えられた症状の中でも実はダニアレルギーだったケースも少なからずあるのではないかとも言われています。
主にチリダニ(ヒョウヒダニ)やコナダニなどがタンパク質を好み、その中でもホットケーキミックスがダニの好む匂いを放っているため繁殖しやすいと言われています。特に気をつけるべきコナダニは温度や湿度などの条件が揃えば、たった1〜2日でも大量繁殖します。
パンケーキミックス・小麦粉以外にダニが繁殖する食べ物
パンケーキミックスだけでなく小麦粉にもよく繁殖するダニですが、それ以外にも繁殖するケースは多々報告されています。
粉物だと、片栗粉・お好み焼き粉・乾燥マッシュドポテト・ココア・プロテインによく繁殖します。お好み焼き粉をみたら半分くらいがダニだったという話も聞きますから、これら粉物を使う前によくよく注意して見ないと大量のダニを摂食してしまうことになります。
粉系以外も注意が必要です。
意外なことに、かつお節・ポテトチップス・粉チーズ・チョコレート・七味唐辛子・味噌にもダニは繁殖すると言われています。
ダニはタンパク質が好物なので、魚介類であったり乳製品にも繁殖しますし、その中でも粉ならば尚更食べたがる傾向にあるようです。
また砂糖も注意が必要です。
三温糖・中白糖・黒砂糖・和三盆などの色のついた砂糖はダニが好むと言われています。
未開封でも危険!
粉物でも開封していなければ大丈夫でしょ!って思いがちですが、実は未開封でも注意が必要です。
ダニは紙の袋などは食いちぎって中に侵入することができますし、ダニ以外の害虫が、袋を食いちぎってしまって、その穴からダニが侵入するというケースもあるのです。
ダニ対策の適切な食料保存方法
ではダニ対策する上でどのように食料を保存すればいいのかというと、結論からいうと冷蔵保存です。
ダニは温度25~30℃、湿度65~85%で増殖しやすい特徴があり、冷蔵庫の中では繁殖しにくいです。しかし、袋のまま冷蔵保存すると湿気や他の食べ物の匂いを吸ってしまうのでタッパーなどの密封容器に入れ替えて小分けするなどして保存してください。また小麦粉などを冷蔵庫で保存する場合、冷蔵庫から取り出した際に、常温の空間に長く置いてしまうとその温度差で結露が発生し、そのまま再び冷蔵庫へ戻すとカビが発生することもあります。なので使用後はすぐに冷蔵庫に戻しましょう。
また粉物は冷凍保存も可能です。常温の場合、1〜2ヶ月以内に使い切る必要がありますが、冷凍の場合は約6ヶ月まで保存期間が伸ばせるそうです。使うときも固まらずサラサラしているので使う分には特に問題はありません。
ダニが繁殖しやすい時期は夏なので特に夏場は冷蔵か冷凍保存してダニ対策しましょう!
ホットケーキミックスなどにいるダニの見分け方
ちなみにですが、粉物に発生したダニは本当に見えるのかどうかという話ですが、大量発生した場合はもぞもぞと動く様子が肉眼でも確認できると言われています。チリダニ(ヒョウダニ)・コナダニの大きさは0.2-0.4mm程度で、色は乳白色です。
(出典:アース製薬「ダニを知る」)
数匹程度なら気づかないでしょうが、大量発生していたら気づくと思います。特に梅雨の時期にコナダニは発生しやすいので、その時期は粉系の袋の中を一応じっくり見てから使ったほうがいいかもしれません。。。