2018年サハラ砂漠に雪が降ったり、シベリアでマイナス67度を記録したり、温暖化が世の中で叫ばれる一方で寒冷化を暗示するような異常気象が世界各地で見受けられます。NASAの予測によると世界はこれから寒冷化し、ザーコバ教授によればそれは2030年以降だといいます。
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なぜなら黒点数の推移の予測から太陽活動が低下することがわかっているからです。厳密にいえば、太陽の活動が弱まり、太陽の磁場バリアも伴って弱まり、太陽系外からくる宇宙線が地球に降り注ぎ、それが大気圏でイオン化され、雲が生み出され、太陽光を遮り、その状況が長く続くことで結果的に地球が長期間寒冷していくという理論です。
今回は2030年以降、寒冷化になった世界がどのように変動をしていくのかを様々なデータをもとに予測していこうと思います。
「移民大移動」によるドイツ経済の停滞
寒冷化による世界的な影響と言えば、歴史的を振り返ると、天候不順による凶作、そして飢饉による人口減少が挙げられます。日本でも江戸時代の記録で太陽黒点数がほぼ0の期間のマウンダー極小期(1645-1715年頃)に3ヶ月連続雨が降ったという記録があります(延宝の飢饉:1674-75年)。
しかし、現代社会はもっと複雑で食糧難以外にも社会に様々な影響を与えることになります。
例えば、現代版の「移民(難民)の大移動」が挙げられます。ローマ帝国を滅亡へと追い込んだ大きな要因となった「ゲルマン人の大移動」もフン族の圧迫からだけでなく気候変動によるものだと言われていますが、実際にその頃の地球は寒冷化へと向かっており、ゲルマン人が温暖気候を求めてローマへと南下していったと考えられます。
そもそもゲルマン民族を圧迫した騎馬民族のフン族も大移動をしており、フン族もまた温暖気候を求めて移動をしていたのかもしれません。
それと同じようにヨーロッパにおける移民(難民)も寒冷化へと向かうと大移動すると考えられます。それは寒さだけではなく寒冷化による凶作で景気が悪くなるからでもあります。
例えば、ドイツは2015年から16年にかけての一年間で約80万人の移民・難民を受け入れました(2015年におけるドイツの移民数は200万人。世界でトップの移民大国)が、寒冷化によってドイツの景気が悪くなると仕事と温暖気候を求めてイタリアやスペインなどに再移住することが考えられます。
そうなると低賃金労働者である移民に支えられているドイツの経済は更なる困窮に喘ぐことになります。なぜならドイツは日本と同等かそれ以上に少子化国家であり(移民が増える前のドイツの出生率は1.5以下)、昨今の移民増加を背景に出生率は高まっていますが、移民が減少し低賃金労働者が減ると、出生率と経済は停滞することが予測されているからです。
ヨーロッパで唯一と言っていいほど経済が好調なドイツを支えていた一つの大きな要因は皮肉にも今まさに問題視されている移民の増加だったのです。
そもそも多額の負債を抱えるドイツ銀行の破綻がカウントダウンされ始めていると言われいて、それはリーマンショックの4倍ほどの衝撃を世界に与えると予測されているので、寒冷化に差し掛かる前にドイツ経済は落ちていくかもしれませんが…。
アフリカにおける人口爆発と第二の移民大移動
現在アフリカ大陸の人口が急増しています。アフリカ大陸の全54カ国の人口は今は約12億人ですが、国連の推計によると2050年には倍増して約25億人となります。その頃の世界人口は約100億人ですので、アフリカ人口はその4分の1を占めることになります。
ただでさえ現代では飢餓者が多いですが(国連情報によると、2017年の1年で8億2100万人、9人に1人が飢えに苦しんいる)、それに寒冷化と人口爆発が進むと更なる食糧難になることが予測できます。
そして飢えに苦しむ人の中にはより豊かな国へと目指す移民となる人がいます。特にアフリカの人々の多くは地理的に欧州へと向かいます。それは今に始まった話ではないですが、欧州への移民は更に増えることが予測されます。移住先は今はドイツや北欧が特に人気ですが、寒冷化になると南欧のイタリアやスペインが一番人気になるでしょう。
つまりドイツや北欧からの移民の再移住だけでなく、アフリカからの移住が更に増えて、イタリアやスペインなどの南欧はパニック状態になることが考えられます。
その分、南欧の経済は今のドイツのように伸びるかもしれませんが、ただでさえ失業率が高い南欧においては移民や移民に反感を持つ住民による犯罪が増えて、治安がより悪化していくことになるでしょう。
そうならないためにも移民の受け入れを政策的に拒む国が出てくるかもしれませんし、ナショナリズムを掲げる右翼政権が伸長することが考えられます。
移民によってカオス状態に陥っている欧州ですが、その状況は寒冷化と人口爆発によって今後更に悪化していく模様です。
第三次世界大戦勃発?
寒冷化と人口爆発によって食糧難が進むと同時にエネルギー確保のための石油や石炭、天然ガスなどの需要が高まることにもなります。
そうなると各国の政治の事情によっては経済制裁などで、それらのエネルギーを十分に確保できない国が出てくるでしょうし、そうなると大きな戦争に繋がることも大いに有り得ます。実際、太平洋戦争の勃発はアメリカによる政略によって日本への石油禁輸措置(ABCD包囲網)をとられたことが大きな要因となりました。
ただでさえ寒冷化と人口爆発とそれに伴う移民の増加によって各国は緊張状態になりますし、食とエネルギー確保のための他国への侵略も起きる可能性があります。
それは第一次世界大戦や第二次世界大戦のように多数の国を巻き込む大戦争に繋がってもおかしくはありません。当然日本が巻き込まれることも不思議ではないでしょう。
そうならないためにも今後の世界ではいかにエネルギーと食を出来るだけ公平に分配していくのかという考え方が重要になります。搾取ではなく共存共栄の道を模索するのです。
また各個人レベルでも自給自足や自家発電をする人が増えれば増えるほど、そういった危機は生みだされ難くなるでしょう。
寒冷化による鬱病の増加
気候変動は食糧難だけではなく、当然人の心への直接的な影響もあります。京都大学と滋賀医科大学の研究者が2013年9月に発表したデータによると、日照時間が少ないほど鉄道自殺の危険性が高まるそうです。
実際に太陽光を浴びることで幸せホルモンのセロトニンが分泌されやすくなりますが、今後太陽活動が停滞して宇宙線が多くなり、それに伴い雲も多くなると日照時間が減ることになります。
そうなると鬱病の人が増えるでしょう。事実、ノルウェーやフィンランドなどの北欧の鬱病患者数は突出しています。
また2017年11月、学術誌『Nature Human Behaviour』で発表された報告書(「Regional ambient temperature is associated with human personality」)によれば、快適な気温(22度前後)で育った人々が、極端な気温で育った人々と比べて、社交性や安定性(協調性、誠実性、感情的安定性)、自己成長、適応性(外向性、経験へのオープン性)に関する性格因子でより高いスコアを記録することが発見されました。
このように太陽光と気候が与える人への影響はかなり大きいです。寒冷化によって曇りや雨が多く寒い日が多くなると鬱傾向になる人が増えると考えられます。
以上のことから寒冷化の影響は今生きている人類が体験したことのないような社会変動をもたらすと言えます。
以前にも紹介したように寒冷化とともに大停電が起こるかもしれないという説もあります。
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これから人類は様々な大変動を経験するのかもしれません。
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