福島原発事故の問題はまだ終わっていません。ニュースではあまり報道されませんが、問題は山積みのようにあるのです。その一つが核廃棄物問題です。
環境省はこれを解決すべく世界が驚く方法を思いつきました。
放射能汚染土を公共工事に再利用
環境省は原発事故前は1000ベクレル/kgだった放射性廃棄物の「厳重管理・処分基準値」を原発事故後80倍に引き上げました。
これだけでも世界が驚愕することなのですが、これはまだ序章です。環境省は福島の除染で出た土の処分に困っていました。そこで妙案を思いついたのです。
環境省は8000ベクレル/kgの放射性廃棄物を通常ゴミとして焼却するだけでなく、道路や防波堤などの公共事業における建築資材にも利用することを決めました。
環境団体からは非難轟々ですが、環境省はそれについては無視も同然で説明を返すことは全くしていません。
公園にも汚染土投入
それだけに留まらず、2017年2月に開かれた非公開会合で汚染土のリサイクルに関する協議の結果、公園や緑地もこの使用目的に加えられることになりました。
公園で遊ぶ子供たちが被曝することを考慮に入れた結果、こうした場所におけるリサイクル可能な汚染土は、放射性物質の濃度が4000ベクレル/kgを下回ったものとするとしています。
「8000ベクレル/kgから半分も基準値を下げてくれるなんて環境省は流石に考えてくれていますね」
なんて言う人はまさかいないでしょう。
原発事故前のリサイクル基準値は100ベクレル/kgだったのですから。その40倍です。今後新しく作られる公園には小さなお子さんを連れて行くべきではないでしょう。
「一応」健康リスクを抑えるために公園に使う汚染土の上に50cmの汚染されていない土を被せることになっていますが、臭いものに蓋をしているだけのような措置に思われ、それだけで健康リスクをクリアできるのかは甚だ疑問に感じます。
日本で興隆する核廃棄物処理ビジネス
8000ベクレル/kgという世界で一番緩い基準値とそれを公共の建築材として使うという暴挙に対し、世界各国がショックを受けると同時に一部の人たちは安堵のため息を漏らしました。
なぜなら他国では放射線量が基準を上回って処理できない廃棄物でも日本でなら一般ゴミや建築資材として処分が可能だからです。
その流れをチャンスと感じた仏ヴェオリア社のアントワーヌ・フレロ最高経営責任者(CEO)は日経新聞に対し、核ゴミ処理事業に乗り出すことを表明しました。今後世界では廃炉になる施設が増えていくので、それらの核廃棄物を日本で処理しようという狙いのようです。
今後世界中から核廃棄物が日本へ集まってくることが考えられます。環境省が基準値を改正したことによって。
こうなってしまった以上、日本の課題はいかに除染技術を高めていくかということでしょう。
放射能を抑制する微生物がいるということが判明していますが、そういったものに対する研究がより重要になってくるでしょう。
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