在韓米軍撤退の時期はいつ?その後朝鮮半島で起こる5つのこと

在韓米軍の韓国からの撤退はいつ行われるのか?そしてその後の韓国と北朝鮮の情勢はどうなるのか?最新の朝鮮半島情勢を交えて、今後どうなるかを予測していこうと思います。

 

 

在韓米軍撤退はいつ?

 

ズバリ、在日米軍の撤退は2020年代の前半に行われるでしょう。2020年には米軍が握っていた韓国軍の作戦統帥権は韓国軍に移管されますが、それ以降に行われるはずです。

 

そう言い切れる根拠としてまず挙げられるのは親北朝鮮で米国離れを進めている進歩派の文在寅大統領が2022年まで任期があるからです。そしてそのあとの政権も進歩派で親北朝鮮政策を継承するならアメリカ離れの動きは2027年まで続くことになります。

 

一方、アメリカ側としてもトランプ大統領は在韓米軍を撤退させたがっています。「在韓米軍はカネの無駄だから撤退させたい」と発言していることからもそれは明らかです。次期大統領もトランプ氏であるのならば、2024年まで就任することになり、この間に米国も韓国に見切りをつけて米韓同盟を解消し、韓国から米軍を撤収させるでしょう。

 

前回の記事でも書いたように、韓国もアメリカも在韓米軍撤退を望んでおり、利害が一致するのであとは時間の問題です。

 

米軍撤退後、朝鮮半島情勢はどうなる?

 

1:一国二制度の「統一朝鮮」の建国

 

在韓米軍という邪魔者がいなくなれば、韓国と北朝鮮は、香港と中国の一国二制度をモデルにして「統一朝鮮」を建国するでしょう。これで金正恩は武力を行使することなく独裁体制を維持させることができますし、韓国の「進歩派」からしても分断されていた民族の統一は朝鮮民族の悲願の達成でもあります。

 

興味深いことに在韓米軍の撤退という北朝鮮の目標は1955年の核開発の始まりからありました。そのとき「南朝鮮解放の第一弾としての在韓米軍撤退のための核開発」という名目を掲げていたのです。その金日成時代からの悲願は金正恩も受け継いでおり、米朝首脳会談の目的の一つはまさに「在韓米軍撤退」に仕向けることです。

 

在韓米軍撤退後、朝鮮半島南北統一に向かっていくことが多くの識者に予測されていますが、かといって資本主義&民主主義の韓国側に北朝鮮の世襲制の独裁的社会主義制度を適用させるのは大きな反発と混乱を招きますので、一国二制度として統一し、南北の移動も最初はある程度制限されることが考えられます。

 

実際に1980年に金日成が「高麗民主連邦共和国」構想(以下、高麗連邦構想)という南北統一プランを提案しており、それは一国二制度を適用しつつも外交と国防は北側が主導するというものです。

 

金正恩も当然その高麗連邦構想を受け継いでいると考えることができ、韓国の文在寅大統領も北朝鮮の社会主義的独裁政権を正当化する主体(チュチェ)思想派であるためにその構想を受け入れる方針であると考えられます。

 

他のモデルとして考えられるのは「南北ベトナム」と「東西ドイツ」のような片方への編入による統一モデルですが、「南北ベトナム」に関してはベトナム戦争で勝利した北ベトナムに南ベトナムが吸収され、東西ドイツはソ連の弱体化によって優勢になった西ドイツに東ドイツが編入されました。

 

つまり軍事面や経済面などを包括した社会情勢が優勢なほうが編入する流れになるわけですが、南北朝鮮の場合は戦争は休戦中でどちらが優勢というわけでもなく、軍事力も韓国が勝るとはいえ北朝鮮は核兵器を所有しています。経済的には韓国が優勢ですが、だからといって北朝鮮の独裁体制を崩してまで統一を実行するとは思えません。

 

となると、当面は香港と中国をモデルにした一国二制度が妥当でしょう。

 

2:財閥系企業、北へ進出&独裁一族繁栄

 

南北朝鮮が統一されるとなると、韓国側の財閥系企業がこぞって北朝鮮側に進出していくことが考えられます。例えば、現代(ヒュンダイ)。金大中(キム・テジュン)大統領の初の訪朝の直前、ヒュンダイ財閥が5億ドルを北に送金していたことからも北朝鮮への進出欲は以前から見受けられます。ヒュンダイの場合は創業者の鄭周永(チョン・ジュヨン)の出身地が北朝鮮にあることも関係しているのでしょうが、他のサムスン電子も李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が、北朝鮮の白頭山の観光に投資する可能性に言及しています。

 

それら韓国の財閥系企業は北への投資を増やし、北の安い労働力を使って輸出競争力を強化しようとしていると考えられます。なにしろ、労働組合が不条理なストライキを繰り返す韓国と違って、独裁政権下の北の労働者は従順で、低賃金でもよく働いてくれますから。悪い言い方をすると、韓国の財閥は北の労働者の劣悪な労働条件を利用して利益を追求することになり、融通を効かせてくれる独裁者の金ファミリーに献金をすることが考えられます。

 

 

3:韓国側で失業者の増加&海外出稼ぎ労働者の増加

 

そうなると、北への工場移転で韓国の産業は空洞化し、賃金も下がり、韓国の若者は慢性的な雇用不安に悩まされることになります。既に韓国は就職難で青年の約10%が失業状態なので、失業率はより悪化し、外国への出稼ぎ労働者が更に増えることになるでしょう。もともと韓国では留学を含め海外志向が強く、多くの人材が外国に渡っています。北朝鮮との統一を嫌う人や就職難に苦しむ人が増えることでさらにその傾向は強まっていくでしょう。

 

4:北朝鮮の観光バブル

 

南北朝鮮が統一されると北朝鮮への経済制裁が解かれたり、外国からの人の往来が増えることが考えられます。

 

金正恩はその時のために着々と準備をしています。前回の記事でも触れましたが、ウォンサンカルマ(元山葛麻)に観光リゾートを全力を挙げて作ろうとしていることが明らかになっています。そこにシンガポールのようなカジノも含めた統合型リゾート(IR)を建設しようとしているのではないかと考えられます。シンガポールの超高級ホテル、マリーナベイ・サンズやカジノ大手のラスベガス・サンズのオーナーであり、トランプ大統領のスポンサーでもあるシェルドン・アデルソンにリゾートホテルとカジノのウォンサンカルマへの誘致を持ち掛けているとされていることからも、金正恩がウォンサンカルマの観光リゾート化を本気で進めていることが伺えます。

 

また、先ほども触れましたがサムスンの実質のトップが北朝鮮の白頭山の観光に投資する可能性に言及していることからも北朝鮮の観光バブルが起こることが現実味を帯び始めていることがわかります。

 

世界的に有名な投資家ジムロジャースも北朝鮮の経済開放に先駆けて北朝鮮関連の株式投資を実行したといいます。

 

「私は、大韓航空の株をすでに買いました。これから経済開放が実現すれば、韓国と北朝鮮間で旅行が盛んになると思うからです」

 

世界情勢をよく知っているジムロジャースがこう発言しているのはその可能性が非常に高いことの現れといってもいいでしょう。

 

しかし、金正恩がいる平壌への観光は今までのように制限されることが考えられます。そうでないと体制を揺るがすことを狙ったものや金一族を馬鹿にする人がやってきて威厳を損なってしまう可能性があるからです。北朝鮮の観光バブルが起きるといってもそれは当面は一部だけの話で、北朝鮮全体を自由に移動できる日はまだまだ遠いと考えられます。

 

 

5:中国内の「朝鮮族自治区」の独立と中国の崩壊

 

統一朝鮮の登場が中国の崩壊の火種となるリスクがあります。なぜなら中国と北朝鮮の国境の中国側には「延辺朝鮮族自治区」という多くの朝鮮人が住んでいる地区があるからです。その地域は満州国時代は日本の占領下にあり、日本の敗戦後は中国の人民解放軍が満州を攻め込み、朝鮮人居住区は中華人民共和国の領土、「延辺朝鮮族自治区」となりました。

 

北朝鮮の金日成はこれに不満でしたが、朝鮮戦争で毛沢東に助けてもらった借りがあったので何も言えませんでした。現在、同自治区は人口は約210万人で、そのうち三分の一以上が朝鮮語を話す朝鮮系の人々です。延辺の朝鮮人は中国と北朝鮮、韓国と北朝鮮のパイプ役としても活動し、各国の北朝鮮への経済制裁が強まる中、北朝鮮の経済活動を援助すべく非合法活動に関与している者も少なくないといわれています。

 

仮に「統一朝鮮」が出来上がると、「延辺朝鮮族自治区」でも朝鮮ナショナリズムが高揚し、延辺の朝鮮人も呼応して、中国からの独立と統一朝鮮への編入を求める声が高まるでしょう。

 

もともとこの地域は古代には朝鮮民族の先祖とされる高句麗(※)が支配した地域ですので、「高句麗はわが祖先」という韓国側のプロパガンダが昔からあり、この地域の領有問題と絡んできます。

(※高句麗は実際はツングース系民族で朝鮮民族ではないが、韓国内では朝鮮民族だったと教えられている)

 

そこで統一朝鮮が出来上がるとなると、核兵器を切り札にした領有問題に発展していくことが考えられます。

 

統一朝鮮に核兵器があるとはいえ中国側が簡単にその独立を認めることはしないでしょうが、アメリカが中国弱体化を狙ってその独立を助ける可能性も大いにあるので、どうなるかは分かりません。

 

仮に中国がその独立を阻止できない場合は、チベット・ウイグル・内モンゴルの独立運動にも火が付き、他の戦区も独立の動きを強めて中華人民共和国は解体することになるでしょう。

 

この中国解体の話はまた別の機会に深堀りしていこうと思いますが、朝鮮半島の統一はそういった可能性をも秘めている一大事なのです。

 

 

様々な予測をしましたが、実際に朝鮮半島の今後はどうなっていくのか、目が離せません。

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