ドイツ銀行破綻は2020年のいつ?日本への影響は?

ドイツ銀行の破綻がいよいよ2020年に起こるのではないかと言われています。では2020年のいつに起こるのか、そして日本や中国、アメリカなどへの具体的な影響はどれほどのものなのか。気になる点に迫ります。

 

そもそもドイツ銀行とは

 

ドイツ銀行について簡単に説明すると、1870年ベルリンで設立された民間銀行で(よく誤解されますが、中央銀行ではありません。中央銀行はドイツ連邦銀行)、ドイツの資本を海外に進出させるためにつくられた極めて政治色の強い、帝国主義的な銀行でした。

 

設立後すぐに国内最大の銀行となり、中国や日本への進出もし、ドイツ帝国解体後も現代までドイツ全産業や世界に多大な影響を及ぼしました。1980年にモルガン・グレンフェルを買収、1998年にバンカーズ・トラストを買収することで実質的にロスチャイルド・モルガン連合に変貌し、世界最大級の銀行となります。

 

特に1998年のバンカーズ・トラスト(米国8位の投資銀行)を買収が大きな転換期で、これを機にドイツ銀行は商業銀行から投資銀行に変貌し、金融商品を売りさばく会社になりました。

 

しかし歴史的に、商業銀行が投資銀行を買収して成功した例はありません。ドイツ銀行もご多分に漏れず、破綻危機に追い込まれているのです。

 

 

ドイツ銀行が経営破綻に追い込まれている3つの理由

 

ドイツ銀行が経営破綻に追い込まれている理由として挙げられるのが

 

1:負債総額

2:天文学的数字のデリバティブ残高

3:株主が逃げ始めていること

 

です。

 

まず、負債額ですが、ドイツ銀行の負債総額は260兆円に達するといわれ、それは2008年に破綻したリーマンブラザーズの4倍に近い額です。

 

次にデリバティブ残高についてですが、ドイツ銀行のデリバティブ(金融派生商品)の取引量は8000兆円以上という巨額の取引量があるのではないかとも言われていて、それはドイツのGDPの20倍に近い額なので、ドイツ銀行が倒れると、その天文学的数字のデリバティブも崩壊し、世界中の金融機関がドミノのように倒れることが予測されています。

 

どういうことかというと、ドイツ銀行が市場に売りさばいていたデリバティブはCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)というもので、国や会社が破綻したときに国債や社債などの債務を支払えないとき、ドイツ銀行が代わりに支払うという保険商品があるのですが、それそのものが破綻してしまうのです。

 

例えば、ドイツ銀行はギリシャ国債の50兆円分のCDSを売っているのですが、もしギリシャが破綻してデフォルトしたとしたら、国債の保険金として50兆円をCDSの買手に支払わなければなりません。そのようなリスクを代わりに引き受ける代わりにドイツ銀行は毎月保険料をCDSの買手から受け取っています。

 

わかりやすく言うと、CDSとは企業や国の生命保険みたいなもので、社債や国債に投資をした投資家は自身が投資する企業や国が倒れた時の保険のためにCDSを買います。

 

もともとはそのような保険のための商品だったのですが、国債や社債をもたない投資家にも売れるようになり、丁か半かの博打ゲームのようになってしまいました。つまり、倒産しそうな企業対象のCDSを買うことで、実際倒産したときに保険金丸々儲けれるシステムになってしまったのです。

 

そのためCDSはバカ売れをして、タガが外れたドイツ銀行はついに8000兆円分以上のCDS残高になるまで売りさばいてしまったのです。

 

これはさすがに危ないぞと市場は判断し始めて株主もどんどん逃げています。株価の推移をみてわかるようにここ数年は下がる一方です。ピークのリーマンショック前は株価110ユーロでしたが、今やたったの6ユーロ台です。

 

ドイツ銀行の株価推移

 

さらにドイツ銀行の筆頭株主である中国の海南集団でさえも見切りをつけて段階的に株の売却をし始めているので、状況は絶望的です。

 

 

また、いままでドイツ銀行に救済措置を取っていたメルケル首相は「ドイツ銀行を救済しない」と何度も言明していることからわかるように、救済しないというよりは救済できないほどの状況なのです。

 

ドイツ銀行は一気に1万8000人をリストラすることで何とか苦境を凌ごうとしていますが、実際は先延ばしにしかなっていません。

 

 

破綻は2020年のいつになるのか?

 

では実際の破綻はいつになるのかというと、ズバリ「イギリスのEU離脱(ブレグジット)後」でしょう。ブレグジットはこのままだと2020年1月31日におこなわれるので、その直後はユーロが暴落するでしょう。ユーロが暴落し、市場が混乱するとドイツ銀行もその波及を受けることになります。ユーロ暴落の影響で倒産する企業が増えれば増えるほど、ドイツ銀行はCDSの支払いが増えますし、ドイツ銀行の株価はさらに下がります。

 

そもそも負債が260兆円もある企業がそれほどの支払い能力があるのかも疑わしいところです。支払えないとなると、倒産した企業の社債の保険は受けれないので、投資家や企業は大損を受けます。

 

そうなるとただでさえユーロ暴落で大変な時に投資による大損を受けた企業の株価がさらに暴落して経営破綻危機に追い込まれる、といった具合にドミノ倒しのように倒産が連鎖する可能性があるのです。

 

ドイツ銀行破綻の影響は?

 

・アメリカへの影響

 

アメリカもCDSとはまた別のデリバティブが破綻するのではないかと言われています。それがいまアメリカの金融市場でバブル状態になっているCLO(Collateralized Loan Obligation)という金融商品です。これは日本語で「ローン担保証券」といい、「信用のない企業」に対して融資したハイリスクな債権を投資信託に混ぜ込んで証券化したものです。

 

この商品はリーマンショックを引き起こしたサブプライムローンとほぼ同じで、サブプライムローンは企業ではなく信用のない「消費者」に対するローンでした。今と同じようにリーマンショック時も超低金利で、超低金利のときにそういった危ないローンが出回り、投資信託に混ぜ込まれる形で証券化されました。一時はそれが売れてバブルになりましたが、政策金利が上がると消費者の破産リスクが高まり、バブルが弾け、リーマンショックが起きたのです。

 

いってしまえば、アメリカの中央銀行(FRB)とゴールドマン・サックスなどのシャドーバンキングが一丸となって仕組んだ暴落劇だったのですが(どちらもロスチャイルドグループ。中央銀行が金利をコントロールして市場を操作し、ゴールドマンサックスなどのシャドーバンキングが劣悪な金融商品を売りさばく)、市場の人々はその策略に気づくはずもなく、大損を受けました。リーマンブラザーズは倒産役となりましたが、経営陣は痛手を負うことはなく、今ごろどこかで豪遊していることでしょう。

 

結局、いつも痛い目に遭うのはわれわれ末端の市民なのです。

 

今回のCLOもまたゴールドマンサックスなどのシャドーバンキングが売りさばいているのですが、米国の消費者ローン残高が過去最高を記録したり、たった一か月で3行の銀行が破綻したり(ニュージャージー市立銀行、オハイオ州リゾリュート銀行、ケンタッキー州ルイザコミュニティ銀行)で、いつ暴落してもおかしくない状況です。2007年、株価が高く好景気と言われながらも3行の銀行が破綻して(2006年はゼロ)、翌年2008年にリーマンショックが起きました。

 

次なる暴落のきっかけはドイツ銀行破綻の波及によるものになる可能性が高いです。

 

なにせドイツ銀行の破綻は、リーマンショックの10倍以上の影響で、ヨーロッパに進出している米国企業は多数あります。ドミノ倒しが米国にも襲い、米デリバティブ市場が暴落してもおかしくありません。

 

・中国への影響

 

中国はドイツと強い経済関係を結んでいます。そのためドイツ銀行が破綻すれば中国の経済にもかなり影響があるでしょう。

 

中国とドイツの経済関係を列挙すると・・・

 

  • フォルクスワーゲンの部品を作るBOSCHの下請けは中国
  • 中国は自動車関連の輸入のうち三割はドイツ製品
  • ドイツ車も、3台に1台は中国市場向け
  • 中国の軍事製品などの7割はドイツの部品や技術を使っている

 

さらに2016年、中国はドイツにとって最大の貿易相手国となって以来、メルケル首相は公式の場で「中国はドイツにとって一番大切な国」と公言していました。

 

一方、中国は不動産バブル(深センは年収の34倍、北京は年収の20〜22倍)で、政府(中国共産党)ですら手も付けられないほどに膨れ上がっています。不動産バブルも長くは続かないことは歴史が証明していることで、何かがきっかけになって崩壊する可能性が高いです。ドイツ銀行の経営破綻はそのきっかけになるには十分すぎるほどの影響力を秘めています。

 

逆に中国の不動産バブル崩壊がドイツ銀行の破綻を招く可能性も否定できません。最近になってドイツは中国への警戒を強めて政治的には距離を置き始めているのですが、経済関係はやはりまだ強いままです。

 

どちらが早く破綻するかは分かりませんが、どちらにせよお互い共倒れする可能性は高いとみていいでしょう。

 

 

・日本への影響

 

日本への影響として考えられるのが、まずは円高に向かうことです。

 

ドイツ銀行が破綻するとユーロが暴落し、アメリカのデリバティブ市場の崩壊が起きればドルも暴落するでしょう。そうなると市場はより安全な通貨を求めて円を買い求めるので円高に向かいます。また、米国政府が経済建て直しで輸出を促進するためにドル安政策をする可能性が高いので(リーマンショックの時もそうでした)、結果的に円高になります。

 

円高になると、大企業の輸出が減少し、経済は停滞するというのが定説なので、日本経済はまたリーマンショック後のようになるかもしれません。

 

また、前の記事でも取り上げましたが、米国のCLO市場が崩壊すると、CLOなどのデリバティブに多額の投資をしている農林中央金庫(JAバンクの投資銀行)が破綻する可能性が高いです。

 

JAバンク倒産危機。農林中央金庫がやばい投資をやめれないワケ

 

リーマンショック時にも多額のデリバティブを抱えていたために1兆5000億円の大損をしている農林中央金庫ですが、過去から学ばず同じ過ちを繰り返そうとしています。

 

負債が18兆円もあるソフトバンクもドイツ銀行の破綻の間接的な影響で破綻する可能性もあります。

 

ソフトバンク、2020年に倒産?経営破綻に追い込む6つの要因

 

リーマンショックの時の日本の影響はというと、2008年の上場企業倒産は戦後最多の33件で、年間全国倒産は1万5646件(前年比11.0%増)と、5年ぶりに危機ラインの1万5000件を超えることになりました。これでも日本は比較的マシでしたが、ドイツ銀行の破綻の余波はそれ以上の衝撃を与えることが予測されています。農林中央金庫やソフトバンクのような潰れるとはだれもが思わないような企業が潰れていくと思っておいたほうがいいです。

 

リーマンショックの時もドイツ銀行の破綻もどちらもそうですが、デリバティブ(金融派生商品)という実体経済とはかけ離れた、本質的な価値がない証券のせいで実体経済が滅茶苦茶にされています。

 

裏にはゴールドマンサックスなどのシャドーバンキングが暗躍しています。ドイツ銀行の現在の会長パウル氏も元ゴールドマンサックスです。ゴールドマンサックスはロスチャイルドグループの尖兵として世界経済を滅茶苦茶にする役目を背負っています。

 

そろそろ彼らのやり口に気づいて、そういった実体経済とはかけ離れた金融商品にお金を流さないようにしなければなりません。

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