100万枚も彩色をした写真家、玉村康三郎のカラー写真
明治時代カラー写真の巨匠、日下部金兵衛の他にもカラー技術師はいました。中でも有名なのが玉村康三郎(1856年 – 没年不明)です。康三郎氏は1868年(明治元年)金丸源三から写真術を学び始め、金兵衛氏よりも一早く1875年に写真スタジオを開業しました。そして1897年からアメリカ、ボストンの出版社 J. B. ミレットの依頼で、100万枚とも言われる日本の名勝・風俗の彩色写真を行いました。
金兵衛氏と比べて淡いカラー色が特徴的ですが、康三郎氏の作品もまた味があって、美しい女性が映し出されているのでご覧ください。
京都の鴨川四条大橋の床の上で夕涼みに興じる芸妓・舞妓を撮影したものです。観光絵葉書に使えそうな一枚ですね。
タバコを吸う女性と、その隣で何をするでもなくくつろいでいる女性の写真です。火鉢でやかんを温めている一方で、手前に団扇があるので季節がわからないですが、当時の暮らしぶりが見れて味わい深い写真です。
鼓を打つ芸妓です。現代の女優も顔負けなほどの美貌ですね。そして昔の女性ならではの品性が伝わってきます。
最後に紹介するこの写真は着色されていませんが、「見ざる、言わざる、聞かざる」をする3人の女の子です。可愛くてほっこりしますね(笑)
以上で、明治初期の日本女性のカラー写真のご紹介を終わりにします。次の記事では明治期の暮らしぶりや風景をカラーにした写真をご紹介したいと思いますのでよろしければそちらもご覧ください。