安倍首相、アメリカに投資を約束。トランプ大統領に貢ぐワケ

2019年4月26日、安倍首相はトランプ大統領と日米首脳会談を開いた際、日本としてアメリカの自動車工場に新たに400億ドル(=日本円:約4兆4600億円)を投資する考えを示しました。

 

トランプ大統領もその表明を受けて、以下の発言をしています。

 

 「安倍総理が日本はアメリカの自動車工場に400億ドル、投資すると話していた」(米トランプ大統領)

 

日本国内では財政が足りないとして増税をしようとしておきながら、海外にはどんどんお金をばら撒こうとする安倍首相。一体、どこの国の首相なのか度々わからなくなりますが、彼がなぜここまで奴隷のような外交をしているのか不思議に思う人も少なくないと思います。そこで安倍首相がトランプ大統領に貢がなくてはならない理由を個人的見解で書いていきます。

 

為替条項による米国の脅し

 

日米は今新たな貿易協定(アメリカ側の呼称:日米FTA、日本側の呼称:物品貿易協定 <TAG>)を作るべく交渉を重ねています。

 

その交渉の中でアメリカ側は日本の政府と日銀が結託して行なっている円安誘導と株価操作を批判し、貿易協定の条項の一つとしてそのような「為替操作」を禁ずる「為替条項」の制定の必要性を説きました。

 

実際、アメリカは為替に関して「国際収支の調整を妨げたり不公正な競争優位を得たりするために、日本が為替操作をしないようにさせる」と言及しています。

 

こういったような日本の為替操作は以前から様々な国に批判をされています。例えば、ドイツのメルケル首相はダボス会議で

 

「為替操作は敏感な問題になりつつあり、日本に対する懸念が出ている」「政治が中央銀行に圧力をかけるべきではない」

 

と批判しています。

 

例えばどのような為替操作がされているのかというと、前々回の記事でも紹介しましたが、黒田日銀総裁の失言からも明らかになっています。それはアベノミクスの異次元緩和の一環として実施している「指数連動型上場投資信託(ETF)」の購入について、「株価安定のために実施している」と失言(思わず本音吐露)をしました。

 

(※ETF:いくつもの大企業の株式銘柄を組み入れた金融商品)

 

 

簡単にいうと、日銀のお金を株の購入にあてて、日経平均を故意的に上げようとしているわけです。もうすでに多くの識者から失敗とみられている安倍内閣の政策の一つ「アベノミクス」を少しでもよく見せるべく「指数連動型上場投資信託(ETF)」を購入し続けて恣意的に日経平均を上げているのです。そうして景気がよくなっていることを喧伝しているわけです。

 

しかし日本の実体経済は向上しておらず、米中貿易摩擦やEUの崩壊危機などで世界経済の先行きに不安が強まり、海外投資家は日本株の「売り」を増やしています。その世界的流れに逆行して、日銀は日本株を買い支え続けているのです。その投資は2018年12月までの累計で23.9兆円もの巨額であることが明らかになりました。

 

出典:しんぶん赤旗「日銀の株投資24億円」

 

図が示すように世界情勢の不安定化によって2018年には海外投資家の株売りが加速し、買った株を5.7兆円も上回りました。これに対して日銀は同年に6.5兆円ものETFを買い支えました。そのため株価が暴落する事なく、売り抜けた海外投資家だけが得するという異常な事態になっています。

 

このように誰かの思惑が垣間見える歪な構造を持っている日本経済にメスを入れようとしているのがアメリカです。アメリカの貿易赤字を正すべく、アメリカ側は日本の為替操作を禁止しようと目論んでいます。

 

しかし、そうされては困るのが安倍内閣。「株価連動内閣」とまで揶揄される安倍内閣は「為替条項」を貿易協定に組み込まれると今までの日本経済の数字操作ができなくなり、それに伴い国民からの支持率も下がってしまいます。安倍内閣がついに崩壊する日も遠くないかもしれません。

 

それを防ぐにはアメリカに忖度をして延命策を打つしかありません。そこで安倍首相はいつもの通り、国民の血税をアメリカに捧げることを約束しました。

 

それが今回の米国の自動車工場に対する400億ドル投資の固い約束です。

 

その成果があってか、日米首脳会議直前の4月13日、アメリカのムニューシン財務長官は、記者団に対して、為替の問題について「輸出競争力を高める目的で為替相場を操作しないことだ。どんな貿易協定にも為替に関する条項を盛り込みたい」と述べているのにもかかわらず、日米首脳会議では為替条項については一切触れられませんでした。

 

状況証拠になりますが、米国への4兆円をも上回る投資(献金)を引き換えにして為替条項を盛り込むことをやめるように嘆願したのではないかと考えられます。

 

そして更に米国の兵器を購入する約束もしています。というか買わされていると言っていいでしょう。

 

今までも色々買わされており、その一環として例えば国民年金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」がアメリカの会社のクラスター爆弾製造企業に投資されています。

 

完全に安倍首相はトランプ大統領にいいように扱われているのがわかります。必死で仲睦まじさを演出していますがトランプ大統領からすれば安倍首相は結局は金づるです。

 

 

一国のトップがこの有様ですからアメリカからの実質的な独立はまだまだ遠いように感じますね。

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