里山資本主義とは?持続可能な社会をつくる鍵

里山資本主義という言葉がある一部の界隈で近年使われるようになってきました。

 

筆者はこの言葉のコンセプトが持続可能な社会をつくっていく鍵なのではないかと思います。

 

ではその言葉のもつ意味と意義についてここでじっくり書いていきたいと思います。

 

 

里山資本主義とは?

 

そもそもこの言葉を作ったのは誰かというと、『里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く』の著者、藻谷 浩介氏(とNHK広島取材班)の造語です。

 

 

2013年に発売後、3ヶ月で16万部を超えたベストセラーです。

 

藻谷氏はこの本で、安心の人的ネットワークと地産地消ベースでつくられる地域循環型社会が「里山」であり、その社会をつくり継続させていこうとする主義を「里山資本主義」と言っています。

 

そして「里山資本主義」をより分かりやすくするために対義語として「マネー資本主義」という言葉を使っています。

 

マネー資本主義とは、20世紀から世界に広がっていった「アメリカ型資本主義」のことで、それが日本にも第二次世界大戦後に浸透していったのは言うまでもありません。

 

アメリカ型資本主義はお金第一の価値基準で経済が動き、物質的な豊かさは確かに満たされるようになりました。

 

しかし、それを追い求めていった結果、日本ではバブル崩壊、アメリカではリーマンショック、欧州ではユーロ危機という経済問題が起こり、このモデルでは社会は長続きせず、飽くなき物質的欲求を追い求めるだけでは幸福感も満たされないということを多くの人は薄々気づいているかと思います。

 

そして日本では特に3.11以降、そのことに気づいた人たちが増えており、ライフスタイルの変化を自ら起こしています。

 

どんなライフスタイルにしていけばいいのか?

 

答えは人それぞれいくつかあると思います。

 

どれが正しくて、どれが間違いだと論じたいわけではありません。

 

ただ、持続可能な社会かつ幸福度が高い社会はどんなものかを追求していく中で、重要なキーワードの一つとなるのが「里山資本主義」だと筆者は考えています。

 

里山資本主義の具体例

 

「里山資本主義」の言葉のコンセプトを話すだけではしっくりこないかもしれません。

 

ということで『里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く』で紹介されている里山資本主義の具体例を挙げましょう。

 

里山資本主義を実践している地域は日本にも各地にあり、この著作で主に取り上げられているのは中国地方です。

 

その中で特に面白い具体例が、岡山県真庭市です。

 

標高1000m級の山々が連なる中国山地の山あいにあるこの町は、世界でも最先端のエネルギー革命が進んでいるところで海外から毎日のように視察が来るほどのところです。

 

ここの何が凄いのかというと

ここはバイオマス発電が盛んなところで、原料は製材の過程ででる、木屑です。

 

出典:「木を燃やして発電するのにエコ? 木質バイオマス発電の仕組みってどうなってるの?」SUUMO ジャーナル

 

 

ここではそのバイオマス発電の詳しい仕組みについては割愛しますが、ここで重要になってくるのが、発電の燃料となっているのが目の前にあるもので継続的に採取できるということです。

 

どういうことかというと、火力発電だと、石油・石炭などの化石燃料が原材料となっていますが、これはどこから運ばれてくるかというと大半がアラブ系国家などの海外からやって来ますよね。

 

原子力発電の場合はウランが原材料でこれもまた海外からの輸入に依存しています。

 

こういった資源は無限にあるわけではありません。有限かつ海外から運ばれてくるので、世界情勢の変化次第で価格が変動し、コントロールできません。

 

そして何より外国からの輸入に頼りすぎることは生命のパイプラインを外国に握られているも同然で、戦争が起きた時などはその貿易を断たれる可能性もあります。

 

火力発電や原子力発電の環境破壊も見逃すことはできません。

 

日本各地で増えつつある里山資本主義

 

では今後エネルギー政策はどうしていけばいいのかといえば、地産地消の考え方をベースにして、地域内で消費する分のエネルギーをその地域内で作るというのが最善策だと考えます。

 

エネルギー発電方法はその地域の特色を活かした方法を用いればいいでしょう。

 

真庭市のように山に囲まれているところはバイオマス発電、大分県のように地下熱が豊かな場所は地熱発電といったように。

 

日本は発電における再生可能エネルギー率は全体で見ると約12%で、比較的低水準ですが、実は市区町村レベルで見ると再生可能エネルギーでの自給100%を超えているところが100ヶ所以上あります。

 

そしてその数は年々増えているようです。

 

いわば里山資本主義的な持続可能性が高い市区町村が増えているということですね。

 

そのうちほとんどが自然に恵まれた田舎の方ですが、東京や大阪のような都会でも自給は可能です。

 

例えば、京都にある京セラの本社ビルは3F以上の南側壁面に1392枚、屋上に504枚の太陽電池モジュールを設置されていて、火力発電所で消費される石油に換算して年間で31980リットルを節約している計算になるようです。

 

このように都会でもアイデアを凝らせば自給率を高めていくことは可能ということが分かります。

 

そして理想は、基本再生可能エネルギーで自給して、もし余った分があれば足りない自治体に電気をシェアをしてお互い助け合うネットワークを作ることだと思います。

 

究極的なことをいえば、自治体でのエネルギー自給をベースにしながらも自家発電する家庭が増えればエネルギー問題はなくなるでしょう。

 

自家発電方法は太陽光パネルだけでなく小型風力発電や小川を利用した小型水力発電など色々開発されつつあって、夢物語ではなくなってきています。

 

 

出典:「落差1メートルの水路でも発電可能、設置も簡単な小水力発電機 (1/2)」スマートジャパン

 

私事ですが、筆者も家を自分で造ることからはじめ、食やエネルギーを自給自足していこうとしているところです。

 

自治体レベルや家庭レベルで自給自足をして余った分を分け合うような安心の人的ネットワークが基盤にあり、それを元に環境にも優しい暮らしを紡いでいくのが里山資本主義なのではないかと思います。

 

単に昔の生活に回帰するのではなく、原点回帰しながらも新しいアイデアで暮らしを更に豊かにしていくこと。そこに里山資本主義の魅力があると感じます。

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