今回は、フリーメイソンの「黒い教皇」によって予言された第三次世界大戦と今の中東情勢の関係についてお話します。
前回の動画では、イスラエルのネタニヤフ首相が、5月25日にパレスチナのヨルダン川西岸地区を数か月以内に併合する意思表明をしたという話をしました。
これに対して、ヨルダンなどのイスラム諸国が猛反発し、新たな中東戦争が勃発する可能性が高く、最悪の場合は第三次世界大戦と呼ばれるような大きな戦争に発展することも否めません。
さすがに第三次世界大戦にまで発展するとは考えにくいという人も多いと思いますが、第三次世界大戦はある人物によって予言されており、世界は実際にそのように動きつつあります。
その予言者は知る人ぞ知る、フリーメイソンの黒い教皇、アルバート・パイクです。今回はアルバート・パイクと彼が描いたとされる予言、ないしは計画書の内容と今の中東情勢の関係性についてお話します。
動画版はこちら
アルバート・パイク
アルバート・パイクは1809年にアメリカのボストンで生まれ、ハーバード大学を出た後は、教師や弁護士として活躍し、1840年から50年頃にフリーメイソンとしての活動を始めたようです。
そして、フリーメイソンの派閥の一つ、スコティッシュ・ライトの最高位の33階級に登り詰め、59年にはフリーメイソン最高評議会のグランドコマンダーとなり、「黒い教皇」とも呼ばれるようになりました。
写真の勲章の胸のところに「33」と確かに書いてあります。
61年に始まった、アメリカ南北戦争の際は南部連合の将軍を務め、62年にはパイクの部隊に所属していた先住民の失態の責任を取って辞任しますが、65年に南軍が降伏した後は逮捕を免れるために、恩赦を申請しながらも、いったんカナダへ逃亡します。
65年4月にリンカーン大統領が暗殺された後に副大統領のアンドリュー・ジョンソンが大統領に昇格しますが、フリーメイソンでもあったジョンソン大統領は、パイクの恩赦申請を認め、無罪放免させました。
そしてパイクはその後もフリーメイソンのグランドコマンダーとして活動を続けました。
ちなみに、アメリカ南部奴隷制の利益を拡大する目的で1861年に設立された秘密結社、ゴールデンサークル騎士団にリンカーン大統領を暗殺したジョン・ウィルクス・ブースが所属していたことが明るみに出た後に、同結社の組織名を変更し、新しくKKKを設立した当事者の一人は、アルバート・パイクだといわれています。
そして彼は悪魔のルシファー崇拝者だったことでも有名です。例えば、彼の著書『Morals and Dogma』には、このように書かれてあります。
「ルシファー、光を運ぶ者よ!暗黒の魂をもたらす不思議で神秘的な名前!ルシファー、暁の子!彼こそ光をもたらす者である。」
更に彼はユダヤ教における神、ヤハウェ、つまりキリスト教におけるイエスは、実は暗黒と邪悪の神であり、ルシファーこそが真の人類のための「善なる神」だとしています。
つまり、神によってつくられたとされるこの宇宙を「悪の宇宙」であるとするグノーシス主義の考え方を持っていました。
そんな彼は1871年、イタリアの建国の父で、フリーメイソンでもあった、ジュゼッペ・マッツィーニに、驚くべき未来の計画書を書いた手紙を送りました。
この手紙が本当に実在したのかどうかは様々な説がありますが、まずはその内容をご覧ください。
「第一次世界大戦は、イルミナティがロシアの皇帝の権力を転覆し、ロシアを無神論者の共産主義の砦とするために起こす必要がある。大英帝国とドイツ帝国のイルミナティエージェント間で起こされる相違はこの戦争を煽動するために利用される。戦争の終わりには他の政府を破壊し、宗教の力を弱めるために共産主義が建設される。」
「第二次世界大戦は、ファシストと政治的シオニストの間の違いを利用して実現されるであろう。この戦争によって、ナチズムが破壊され、またパレスチナにイスラエル主権国家を制定するぐらいに政治的シオニストが強くなければならない。第二次世界大戦中、国際共産主義は、最終的な社会的大変動のために必要になるであろう。キリスト教を、その時がくるまでに拘束しておくために、充分強くなる必要がある。」
「第三次世界大戦は、イルミナティエージェントが引き起こす、政治的シオニストとアラブ人の指導者との間の意見の相違によって起こるべきである。戦争は、イスラム教と政治的シオニズムが相互に破壊しあうように行われなければならない。その間に、他の国々は、この問題で再び分裂し、肉体的、道徳的、精神的、経済的に完全に疲弊するまで戦うことを余儀なくされるであろう」
さて、これをみると見事なまでに予言通りに物事が動いていることが分かります。
言うまでもありませんが、これは予言というよりは計画書だとみたほうがいいでしょう。
パイクは「予言は当たるものではなく、当てるものだ」とも公言していたようですが、その発言からしても、この予言書は、計画書であることが明白です。
ただ、おかしな点があることにも気づく必要があります。
それは、この手紙は1871年のものとされている一方で、20世紀以降に生まれた言葉が混じっていることです。
ファシストやナチズムがそうであることは言うまでもありません。
この手紙の内容は1925年に出版された、『ベールをはがされたフリーメイソンリーの密儀』によって初めて公にされたようですが、その当時にはなかったはずの言葉があることから、誰かによる意図的な改竄、もしくは手紙の存在そのものが捏造であるということが考えられます。
もしくは、ナチズムやファシストの出現でさえ、彼らが既に計画していたことだったのでしょうか。
しかし、重要なことはそういったことではなく、この手紙の内容通りに実際に世界が動いているということです。
1925年に公にされたものですから、少なくとも第二次世界大戦のことは言い当てていますし、「第三次世界大戦」に関する言及もまさに今の中東情勢を言い当てているかのようです。
この手紙は誰によって作られたのかということは、そこまで重要ではありません。それよりもなぜこれがつくられて、公開されているのかということを考えたほうがいいと思います。
第三次世界大戦に関する言及の中にある、シオニストとアラブ人との意見の相違とは、前回の動画でもお話した、シオニストたちが推進するシオニズム運動、つまり、聖書に記されているイスラエルの地にかつて存在した故郷を再建しようという運動と、それに対して猛反発するパレスチナ住民の対立を言い表していることは明白です。
世界大戦のその後
昨今の中東情勢はパイクの計画書の内容と同じようになってきましたが、実は第三次世界大戦が終わった後の世界がどうなるのかについても書かれてあります。
それがこちらです。
「大多数の人々は、キリスト教に幻滅し、彼らの自然神教的な魂は、その瞬間から、コンパスや方向を失い、理想を渇望するが、崇拝をどこに向ければよいのかを知らない。
そのときに、ルシファーの純粋なる教義の宇宙普遍の顕示が人々の間に広まることになり、その顕示を通して、人々は、真の光りを授かるであろう。」
これは、今の世界が徹底的に破壊された後に、ルシファーによって支配される世界が訪れるという解釈ができます。
これこそが、NWOの根本的な思想なのではないかと私は考えています。
つまり、ヤハウェがつくったとされる、苦しみと欺瞞に満ちたこの世界をルシファーが乗っ取って、世界のシステムを新しく書き換えるということです。
これは、前述したように、この宇宙が「悪の宇宙」であるとするグノーシス主義的な考え方そのものであり、映画のスライブやQアノンの仕掛人だと思われる、バーバリアン・イルミナティの世界観そのものでもあります。
過去の動画で何度か取り上げたトランスヒューマニズムもまた、誤解を恐れずに言えば、ルシファー的な世界を広げるための運動の一つでもあります。
トランスヒューマニズムの究極的な目標は、永遠の命の獲得すること、つまり機械やクローンに精神転送をすることで、生老病死という苦しみから脱却することにありますが、その考え方も、今の諸行無常という世界の在り方、つまり、ヤハウェが構築したとされる、苦しみに満ちた世界を改変しようというものです。
「トランスヒューマニズム」の根本原理は、イギリス優生学会の会長のジュリアン・ハクスリーが提唱した「不快かつ野卑で短い人生から、脱却すること」であることからも、それは明らかであり、過去の動画で明らかにしたトランスヒューマニズムの歴史を辿れば、これも彼らの戦略の一つだということが分かります。
このように、彼らは反ヤハウェ的な世界観を持っており、これもまた、善悪二元論的な世界観です。つまり、キリスト教的な善悪二元論をひっくり返しただけの世界観です。
これはこれで、世界に蔓延る苦しみをなくそうという、一種の正義感があるのかもしれませんが、私は、世界中の人々が善悪二元論から脱却しない限りは、いくらシステムを変えたところで、善悪論による新たな対立構造が生まれるだけであり、この世界に真の平和が訪れることはないと考えています。
例えば、こういうことを知ると、怒りや混乱に支配され、悪魔崇拝者たちに悪意や敵意を向けてしまいがちですが、彼らにそのようなエネルギーを向ければ向けるほど、彼らの中にあるエゴも増長してしまい、更に強力になってしまいます。
つまり、この世界に平和をもたらすには、善悪二元論を超えた悟りが必要なわけですが、悟りとは、彼らが重視する「思考」だけではたどり着けない境地なので、理解を得るのは難しいのかもしれません。
では、こちらが悟って心穏やかになれば、あちらも変わるのかというと、そういうわけでもありません。
心穏やかにすることは大事ではありますが、もっと大事なのは、その意識を持ったうえで、いかに世界を変えていくのかということを考えて行動に移すことだと思います。
自分が変わらなければ、世界は変わりません。
動かなければ、何も変わらないということです。
それが因果論で成り立つこの物質世界のルールであり、この限られた可能性の中で、最善を尽くして、そのプロセスを経験として味わい、成長していくことが大事なのだと思います。
つまり、悟りとはゴールではなく、通過点に過ぎないということです。。
さて、アルバート・パイクによる戦争計画があることは確かで、世界はほぼその通りに動いているのも確かなことです。
この計画書を見る限りは、シオニズム運動は、その計画のための手段に過ぎず、イスラエルのユダヤ人さえも利用されている、とみたほうがよさそうです。
第三次世界大戦もその計画書通りに起こってしまうのでしょうか。
必ずしも計画通りに進むわけではありませんが、このような計画を実現させることを使命とする人たちも、この世界には確かにいるという視点を持つことも大事だと思います。
何はともあれ、ネタニヤフ首相が数か月以内に実行すると明かしたヨルダン川西岸地区の併合計画がその引き金にならないことを願うばかりです。
さて、次の動画では、旧約聖書の三大預言の一つ、エゼキエル書の中で、イスラエルを舞台とした大規模な戦争が予言されていることについてお話しようと思います。
それは約2600年前に書かれたものなので、それが実際に起こるというのは信じがたい話ですが、昨今の中東情勢はそのエゼキエル書に書かれた通りになりつつあり、今はエゼキエル戦争の前夜だともよくいわれるようになりました。
ここで重要になるのはロシアの動きです。
今回紹介したアルバート・パイクの計画書とどう関係してくるのかも気になるところだと思います。それも含めて、次回は昨今の中東情勢やロシアの動きと絡めて、エゼキエル書の内容に迫ります。
ということで、今回はこれで終わりにします。
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