ジョージ・ソロスの役割。ロスチャイルド家との関係

ミネソタ州の黒人男性、ジョージ・フロイド氏が警官に取り押さえられ、殺害された事件を発端として、欧米で抗議デモが拡大していますが、そのデモに乗じて、反ファシズムの極左組織、アンティファが暴徒化しているということが、多くのメディアで取り上げられています。

そしてそのアンティファを支援するのは、ロスチャイルド家の番頭と言われる投資家のジョージ・ソロス氏や、中国共産党だという説も広がっています。

 

さて、トランプ大統領とソロス氏の対立が激化しているという見方が広がっていますが、果たして彼らは本当に対立しているのかという視点でお話しようと思います。

その前に、ジョージ・ソロス氏の経歴を簡単に振り返って、彼がグローバリズムを推進する目的を明らかにしたうえで、ソロス氏とトランプ政権との奇妙な繋がりと、両者の対立の裏で一体何が起ころうとしているのかという話に展開していきます。

 

動画版はこちら

 

ジョージ・ソロスの経歴

 

まずは、ジョージ・ソロス氏の生い立ちから簡単に整理しておこうと思います。

ソロス氏は1930年、ハンガリーのブダペストのユダヤ人の家庭に生まれ、「第二次世界大戦時には」ナチスが設立したユダヤ協会に従事し、ナチスによるユダヤ人の財産没収の幇助をしました。

 

その点について、本人は幇助をしたことは認めましたが、同胞の財産を直接没収したわけではないという理由で、全く罪悪感をいだいていないということをインタビューで語っています。

 

ソロス氏は戦後の1947年に単身でイギリスへ渡り、49年にロンドン・スクール・オブ・エコノミクスに入学しました。

 

余談ですが、LSEは当サイトでもよく紹介する、フェビアン協会がつくった大学で、世界帝王ともいわれた、デイヴィッド・ロックフェラー氏もここの卒業生です。

 

デイヴィッド・ロックフェラー氏はその前にハーバード大学も卒業していますが、その際の卒業論文のテーマは「フェビアン協会」だったといいます。

 

さて、話をソロス氏に戻すと、彼は大学卒業後にロンドンで働き、56年にアメリカのニューヨークへ渡り、69年に、ジム・ロジャーズ氏と共にクォンタムファンドを設立しました。

 

同ファンドにロスチャイルド家をはじめとするヨーロッパの富裕層が投資したことは有名な話です。

このクォンタムファンドは90年代に、運用資産の規模において世界最大のヘッジファンドにまで成長するのですが、そこまで成長させたのはロスチャイルド家といっても過言ではありません。

 

ポンド危機はユーロ導入のため?

しかし、ソロス氏はロスチャイルド家を困らせるようなことをします。

 

92年にイギリスの通貨ポンドの空売りを行い、それに続いて市場全体がポンド売りに走ったため、ポンドの価値が急落し、ポンド危機が起こりました。

 

その後、ソロス氏はポンドを安値で買い戻し、それによってクォンタムファンドは一晩で10億ドル以上の巨額の利益を得た一方で、ロスチャイルド家が実質的に支配するイギリスの中央銀行のイングランド銀行は大損をしたのです。

そのため、ソロス氏は「イングランド銀行を潰した男」と呼ばれるようにもなるのですが、ロスチャイルド家の番頭と言われるソロス氏は、なぜロスチャイルド家の持ち物でもあるイングランド銀行を追い込むようなことをしたのでしょうか。

 

この点は様々な説がありますが、欧州通貨制度を崩壊させて、欧州の共通通貨のユーロを導入するために、両者は事前に示し合わせていたと私は考えています。

 

欧州通貨制度は1979年に始まり、ヨーロッパの諸通貨の安定を目的とした半固定的な為替相場制のシステムでしたが、1990年の東西ドイツの統一と92年のポンド危機によって、欧州の為替相場は大荒れ模様になり、事実上欧州通貨制度は崩壊しました。

 

その結果、欧州は為替の安定を図るために、様々な機構を設けます。93年には欧州連合を発足させ、94年には欧州中央銀行の前身となる欧州通貨機構を設立し、共通通貨ユーロの導入に向かって進んでいきます。

 

共通通貨のユーロ構想は昔からありましたが、ソロス氏が招いたポンド危機が導入の決定打となったことは間違いありません。

そしてユーロという共通通貨は、世界政府の世界統一通貨をつくるための社会実験の一つという見方もあります。

ソロス氏の役割はグローバリズムを推進し、最終的には世界統一政府を構築することにあると考えられるので、そのための社会実験である、ユーロの導入のために、ロスチャイルド家と事前に示し合わせた形で、ポンド危機を演出したのではないかと考えられます。

 

それは、結果論ともいえますが、ソロス氏がロスチャイルド家を大損させたのに、何一つお咎めがないうえに、その後も協力関係にあることから、ポンド危機すらも了承のうえで引き起こされたと考えられるのです。

 

アジア通貨危機とIMFとソロス

さて、ソロス氏の空売りによる金融マジックはそれだけに留まりません。

1997年にタイの通貨、バーツの暴落が引き金となってアジア通貨危機が起こりましたが、その原因に関して、マレーシアのマハティール首相は、ソロス氏の空売りがすべての原因であると名指しで批判しています。

アジア通貨危機によって、タイ、インドネシア、韓国は経済的に大きな打撃を受けて、IMFの管理下に入ったのですが、その結果、IMFの融資を条件に、大幅な規制緩和命令を受け入れることで、多くの外資が入り込むことになりました。

国の経済において、外資系の多国籍企業の影響力が高まれば高まるほど、国家の主導権が弱まってしまいます。

 

これがグローバリズムの本質です。

IMFは経済的に困窮している国に対して融資をするという一見有難い機関にみえますが、その一方では外資参入の規制緩和を受け入れさせることで、グローバリズムを加速化させる機関ともいえます。

 

マレーシアのマハティール首相はそのIMFの本質を見抜いて、IMFの支援の受け入れを拒否する姿勢を明確に示しました。

 

マレーシア経済もアジア通貨危機によって大ダメージを受けていたので、欧米系の評論家に批判を浴びせられますが、独自の金融政策でマレーシア経済を立て直しました。

 

IMFもまた、実質的に国際金融資本家たちの機関ですが、マハティール首相はそれを見抜いていたと考えられます。

 

ソロス氏はそのIMFと示し合わせたのかどうかは分かりませんが、金融経済を崩壊させることで、IMFの融資を受け入れざるを得ない状況をつくり、グローバリズムの流れを加速化させたということは事実です。

 

革命支援

 

ソロス氏の行動範囲は金融業界に留まりません。

ソロス氏はクォンタムファンドで構築した巨額の資金を、体制転覆を図るような革命運動を支援することにも回し始めます。

ソロス氏は自身を「国境なき政治家」と称し、1993年にアメリカに本部を置く「オープンソサエティ財団」を設立し、正義や民主主義、人権のために活動する120カ国以上の市民に資金を提供し、民主化の支援をしています。

民主化を支援するといえば聞こえはいいですが、その国の為政者にとっては「革命支援組織」です。そのために、ソロス氏を忌み嫌う為政者も少なくありません。

ソロス氏は同財団を通して、東欧の「カラー革命」やアラブ世界における「中東の春」で政変を支援したことでも知られています。

体制転覆の後は、その地で経済活動も展開しています。

例えば、ユーゴスラビアはNATOが介入して、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争やコソボ紛争など様々な紛争を経て、複数の国に分かれましたが、そのうちの一つ、コソボでは膨大な鉛、亜鉛、金、石炭が埋蔵されており、ロスチャイルド系のカーライルグループやソロス氏の資金で運営されている国際危機グループの活動によって、その利権の多くは彼らに移譲されたようです。

このように、ここでもソロス氏とロスチャイルド家の繋がりが明らかになっています。

最近のものだと、香港デモもソロス氏と関係していることが指摘されており、それについては過去の動画でも取り上げました。

 

昨年から始まった香港デモにおいては、ヒューマンライツウォッチという人権団体の関与が中国政府に指摘されましたが、その団体を支援するのはやはりソロス氏でした。

ソロス氏の一連の活動において、CIAのフロント機関と指摘される、全米民主主義基金(NED)との協力関係が見え隠れしているということも過去の記事(「香港デモを煽る米国NGOの実態。CIAとジョージソロスの暗躍」)で指摘しました。

 

移民と難民支援

 

ソロス氏の活動は、革命支援だけでなく、移民や難民の支援もしています。

 

特に欧州においては多くの難民や移民が欧州の外から流れ込んでおり、大きな問題になっているのですが、それに対して、ソロス氏の母国のハンガリー政府は、ソロス氏がイスラム教徒の移民支援を行っているとして、名指しで非難し、通称、ソロス阻止法という移民制限法をつくりました。

 

そしてソロス氏が創設したブダペストにある中央ヨーロッパ大学は、2018年に実質、国外へ追放され、本拠地はウィーンに移されました。

ソロス氏の難民や移民に対する支援は欧州にとどまらず、中米から米国国境へ向かう「中米移民キャラバン」を促したことでも知られています。

移民支援団体「プエブロ・シン・フロンテラス」は、ソロス氏の資金援助を受けており、アメリカへの不法移民が増加することによって、アメリカ国内は混乱してしまいました。

 

結果的に、移民や難民が増える国は右傾化し、それによって左翼と右翼の対立が深まり、国家が分断されてしまいました。

 

ソロス氏なりの正義があるのかもしれませんが、彼の活動の多くは国家を分断させることに繋がっており、国際金融資本家たちによる世界政府の構築の加速化にも繋がっているのです。

 

今回のアメリカの暴動もソロス氏が関わっていると仮定するならば、このような視点から暴動の裏側を見たほうがいいと思います。

 

さて、ソロス氏の活動内容を明らかにしたところで、トランプ大統領とソロス氏は本当に対立しているのかという話と、今回の抗議デモの裏で一体何が起ころうとしているのかという話に展開していきたいところですが、それは次の記事(以下のリンク)にします。

ソロスvsトランプと米中対立を煽る存在の正体。2つのNWO計画

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