米食品医薬品局(FDA)は、電子たばこの使用者が痙攣の発作を起こしたケースが数年間における35件の報告を受け止めて、調査に入ったことを明らかにしました。
また、英バーミンガム大学のデイビッド・シケット教授が率いた実験研究は既にその危険性を明らかにしています。
ではどのような危険性があるのでしょうか?
電子タバコの安全説を覆す研究結果
先に挙げたシケット教授が率いる研究チームは、8人の非喫煙者に電子タバコの吸引プロセスの再現協力を得て、提供された肺細胞のサンプルを使いました。その結果、電子タバコの蒸気が肺における炎症を引き起こし、人体に有害なバクテリア、アレルギー物質などを取り除く肺胞マクロファージを機能不全にしていたことが分かりました。
この現象は喫煙者や肺疾患患者にみられるものと同じです。
シケット教授はこう語ります。
「がんの危険性については(伝統的なたばこよりも)安全だと言えるが、電子たばこを20年、30年と吸えば慢性閉塞性肺疾患の原因になるかもしれず、これについて知る必要がある」
しかし、この研究は電子タバコの喫煙から48時間の変化だけを記録したもので、さらなる長期的な研究が必要だと話しています。
また、実は日本の厚生労働省が公開したデータでは、電子タバコ蒸気に発がん性物質(propylene oxyde <IARC 2B発がん物質>)を発見したことを報告しています。
電子タバコは受動喫煙者への影響も僅かである上に、伝統的なタバコよりかは比較的安全ですが、肺への悪影響は明確にあり、完全に安全なものではないことは確かなようです。
「電子たばこが通常のたばこより有害だとは思っていないが、我々が信じ込まされているような安全性があるかどうかについては、慎重に疑ってみることが必要だ」
とシケット教授が語るように、時には疑うことも大切です。イギリスのこの研究や日本の厚生労働省だけではなくFDAでも電子タバコの危険性が懸念され、調査されているので今後も新たな発見がされるかもしれません。
決して電子タバコのバッシングをしたいわけではありません。もちろん電子タバコのおかげで禁煙することに成功した人は数知れずです。以下の動画ではイギリスの禁煙成功者60%は電子タバコのおかげと言います。
しかし、伝統的なタバコより安全だからといって、長期的に吸い続けると肺を悪くしてしまうかもしれません。吸う方はそれを承知の上で吸って頂ければと思います。
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