4月1日に5月1日から始まる新元号が「令和」と発表されましたね。その由来などは多くで語られているのでここでは割愛しますが、ここでは「令和」に対する海外の反応を見ていきたいと思います。中にはかなり意外な反応もあり、日本は海外にどういう風に見られているのかが垣間見える内容になっていると思います。
目次
アメリカの反応
CNNの残念な反応
アメリカの大手メディアのCNNは新元号「令和」の意味などを簡単に説明した上で、「令和」についてではなく、「昭和」の解釈にも触れました。日本人には少しショックな内容かもしれません。
Era names can also become political. The Showa era, the name of which can be interpreted to mean “period of radiant Japan,” spanned the rise of Japanese fascism and nationalism, when imperial troops under the Rising Sun banner invaded numerous neighboring countries. This attitude is sometimes called Showa Nationalism.
和訳):元号はまた政治的な意味も持ちうる。昭和時代は「光り輝く日本の時代」という意味をも持っており、日本のファシズムとナショナリズムを展開していった時代である。その時代、旭日旗を掲げた大日本帝国軍は多くの隣国を侵略した。(かつての日本の)この姿勢は時に「昭和ナショナリズム」と呼ばれる。
GHQが戦後日本に仕掛けた自虐史観をそのまま記述していますね。現代においてもアフガニスタンやイランなどに侵略している国が言える内容ではないと思いますが、元号の変更は日本の時代の変わり目でもあり、それがかつての大日本帝国を彷彿とさせるのでしょう。「令和」に対する政治的な解釈はしていませんでしたが、少し残念な記述であります。
マイクロソフトが警告。「2000年問題」再発?
マイクロソフトはまた違った側面から反応をしました。5月1日に予定された新天皇の即位で日本版「Y2K」問題が発生するおそれがあると、警告したのです。
「Y2K」問題とは「2000年問題」として一般的に知られています。西暦2000年になるとコンピュータが誤作動する可能性があるとされた年問題です。特に30代以降の方にとっては記憶に鮮明に残っている事だと思います。
1999年から2000年に移る際、下2桁の年度でのみ表記されるコンピューターが誤って認識し、電気や水道水、鉄道、航空管制、銀行、株式市場などあらゆるサービスが停止する可能性があるとして世界を騒がせました。
大きな騒ぎにはなりませんでしたが、2000年になってもなんら変化はなく事なきを得ました。
その「2000年問題」で懸念されていたことと同じようなことが「平成」から「令和」へと元号が変わることで生じるかもしれないとマイクロソフトは警告しているのです。マイクロソフトがこうした警告をする理由は、日本のコンピューターの大半が元号を使うためです。元号の変更で日本のコンピューターが年度を認識できない可能性があると指摘したのです。
NHKは「先月の調査でシステムの中で元号が使われているかどうか調査が済んでいないと答えた企業が20%あった」とし「システム改修が不十分な場合には日付が認識されず、データの処理ができなくなる不具合が生じる可能性がある」と警告しました。
マイクロソフトの忠告を真に受け止め対策を打たないと、新元号になった途端に色々なサービスが停止してしまうかもしれません・・・。
中国の反応
脱中国した日本に対する中国外務省の冷静な反応
「大化」(645年)から「平成」まで合計247ある元号は、これまで全て中国の古典(漢籍)に由来してきたことが確認されています。しかし248番目の「令和」は、初めて日本の古典からの採用となりました。
このことに関する以下の質問に中国の外務省はこう答えました。
Q.今回、初めて元号を日本の古典から選んだ。この変化をどう思うか?
「このことは日本の内政だ。私たちはコメントしない」(中国外務省 耿爽報道官)
中国はアメリカとの貿易戦争で疲弊しているため、日本との友好関係が相対的に重要になってきています。そのためか、物議を醸す様なコメントを避けました。そのうえで、「当面の中日関係は良好な関係を維持している」として、日中関係が改善しているとの認識を示しました。
「令和」は突き詰めるとやはり中国の古典が由来か?ネットユーザーの指摘
中国紙の環球時報(電子版)は「中国の痕跡は消せない」の見出しで、引用元の「万葉集」も中国古典の影響を受けていると指摘し、ある中国ネットユーザーは、日本の新元号「令和」の由来は後漢の文学者・張衡の「帰田賦」(文選)にある「仲春令月、時和し気清し」ではないかと指摘しています。
「帰田賦」は138年の創作であるのに対して、「万葉集」の和歌のほとんどは奈良時代(710-794)の作品です。二者には約500年という狭間がありますが、「令和」は「帰田賦」と関係しているのでしょうか?
この点に関して、中国外交学院国際関係研究所の周永生教授と北京大学の王新生教授は、「二者には直接の関係はない」との見解を出しています。
周教授は
「中国と日本の古代文化は互いに通じており、『万葉集』含む日本の古典文化は中国の古典文化の影響を受けている。しかし、『令和』が『帰田賦』に由来しているとは言えない」
と指摘。
王教授も
「古代の日本文化は基本的に中国文化に由来している。私たちが目にすることができる日本古典文化から、中国古典文化の影響を受けていることを垣間見ることができる。しかし、『令和』だけを見た場合、張衡の詩歌とは直接の関係はない」
という見解を示しています。
万葉集は確かに中国の影響が多分にありますが「令和」はどうやら中国古典に直接由来していないようです。
韓国の反応
安倍政権の保守性との関連性を分析する韓国メディア
韓国の左派系紙、ハンギョレ(電子版)は1日、新元号「令和」で初めて日本古典から由来することに関して「安倍晋三政権の保守的色が日本の古典を出典とする年号誕生の背景にあるようだ」という分析を載せました。
あくまで分析ですが、確かにそうなのかもしれません。
日韓関係改善を望む韓国ネットユーザーの声
韓国のネットユーザーからは
「日本が美しい元号のとおりに韓国との和合の道に進むことを願っている」
「新天皇の平和への寄与を期待している。令和と日本の繁栄と平和への貢献を祈っている」
「その名に恥ずかしくないよう、安倍首相は静かに過去の戦争を謝罪し、平和な日本を取り戻してください」
など、「令和時代」での日韓関係の改善を望む声が上がっています。色々言いながらも何だかんだで日本が好きな韓国人が多いと言いますが、関係改善を求める声が多いのは本当にそういうことなのかもしれませんね。それにしても過去の謝罪を求める内容はやはり韓国だなと感じさせる反応です。
このように色々な国の様々な反応を通して日本がどういう風に見られているのかを垣間見ることができたと思います。
今回挙げた中でもやはりマイクロソフトの警告が重大であるように思います。
Y2K問題が起こらなければいいのですが、会社勤めの方は上司などにシステムにおける対策は打ってあるのかを聞いてみたほうがいいかもしれません。
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